2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「関東新制条々」21−追加法359

過差禁制。手紙の問題。 本文。 一 私消息用厚紙事 為世之費、為人之煩、一切可停止之。 読み下し。 一 私の消息に厚紙を用うの事 世の費えのため、人の煩のため、一切これを停止すべし。 私用の通信には厚紙つまり上等の紙を使うことは「世の費え」つまり無…

「関東新制条々」20−追加法358

八朔の贈り物、つまり現在のお中元。 本文。 一 八月一日贈事々 近年有此事。早可停止之。 読み下し。 一 八月一日贈事々 近年このことあり。早くこれを停止すべし。 要するに新しい贈与の習慣は無駄だから停止せよ、ということで、今の言葉で言えば「虚礼廃…

「関東新制条々」19−追加法357

過差禁制の条文の二つ目。 本文。 一 衝重彫牙象外居并檜折敷事 酒宴之時、一切可停止之。 読み下し。 一 衝重彫牙象外居ならびに檜の折敷の事 酒宴の時、一切これを停止すべし。 酒宴の時の過差禁制。 衝重(ついがさね)とは食物をのせる膳の一種で、盆の…

「関東新制条々」18−追加法356

ここから367条までは「過差禁制」つまり御家人に倹約を命じた条文。公家新制においても重要な規定でもあったが、360条から363条までには百姓臨時役を禁止する条文があり、その点においては「撫民法」と考えることが出来る。佐々木文昭氏の『中世公…

「関東新制条々」17−追加法355

「関東新制条々」の中の訴訟関係の最終の条文。佐々木文昭氏の分類によると、この訴訟関係の条文群であるところの349条〜355条は349条が主規定で、訴訟担当者対象の禁止規定が350〜355である、という。 本文。 一 御家人見参并庭中訴訟聴断事…

「特定通常兵器使用禁止制限条約,焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III)」

今話題になっている白燐弾が国際法違反か否か、という問題。どちらがどうかド素人で分からないので、まずは問題となっている条約を実際にみるところから始める。 焼夷兵器の使用の禁止又は制限に関する議定書(議定書III) 第一条 定義 この議定書の適用上、…

「関東新制条々」16−追加法354

引付衆の服務規定。引付衆は1249(建長元)年に設置された職で、所務沙汰つまり御家人の所領に関わる訴訟を扱う。訴人すなわち原告は訴状を問注所に提出し。問注所は所務沙汰に関わる場合は訴状を引付衆に送達する。引付衆では論人に訴状を開示したうえ…

「関東新制条々」15−追加法352

引き続き問注所にかかわる条文。裁判の充実は「自力救済」に任せず、弱者の言い分も取り入れようという動きである。裁判の充実は「徳政」の一部分として大きなウェイトを占めている。 前条から裁判の特に庶民の訴訟が取り扱われることの多い「雑務沙汰」つま…

「関東新制条々」15−追加法351

裁判制度に関わる条文。 本文。 一 問注書下事 問状清書之仁、就訴陳状到来、不申入子細、無是非書上之条、沙汰依違之基也。自今以後、問状本奉行人請取訴陳等、申沙汰之。可書下之。 読み下し。 一 問注書下の事 問状を清書の仁、訴陳状到来に就き、子細を…

「関東新制条々」14−追加法350

引き続き公務員に定められた義務。 本文。 一 可定置評定衆并引付衆及奉行人起請事 政道之源、以無私為先。誰背此理。然而且為避上之疑、且為顕下之忠、任故武蔵前司入道之時例、可被召起請文也。但雖加署判於先年之起請文、於今度者、評定衆以下一同、可令…

「関東新制条々」13−追加法349

ここから御家人関係の条文群。 本文 一 可専守式目事 被定置之後、有違犯事者、随聞食及、可有誡沙汰也。自今以後、固可守此法也。 読み下し。 一 専ら式目を守るべき事 定め置かるるの後、違犯の事あらば、聞こしめし及ぶに随いては、誡の沙汰あるべきなり…

加藤紘一元自民党幹事長の議論

少し古い話だが、知らなかった。一応備忘録として。リンク先(「http://www.katokoichi.org/videomsg/2008/081228_1.html」) 日本の非正規労働者は今1700万人を超え、働く人の3人に1人というところまできています。派遣労働者法の改正というのは、小…

「関東新制条々」12−追加法348

鷹狩りについての規定。一応「神領」なので、これも神仏関係のところに入れるべきか、という気もする。御家人の守るべき条項であることは論をまたないが。 本文。 一 鷹狩事 神領供祭之外、可停止之由、御下知先畢。固守此制禁、不可違犯矣。 読み下し。 一 …

「関東新制条々」11−追加法347

昨日、この「関東新制条々」について論じた佐々木文昭氏の『中世公武新制の研究』(吉川弘文館、2008年)を読んだ。その中で氏はこの「関東新制条々」の条文の分類をしておられる。神仏関係の条文の構成は、前半に寺社が行うべきこと、後半に御家人への…

『吾妻鏡』寛喜三年三月十九日条所収の北条泰時奉書−追加法20

藤木久志氏の著作『飢餓と戦争の戦国を行く』に言及したついでに同書「飢饉出挙の習俗」で論及されていた追加法20条をみておこう。 寛喜三年、西暦では1231年、執権は北条泰時、この年は大飢饉で、前年夏に寒冷な異常気象と大風によって大凶作になり、…

「関東新制条々」9・10−追加法345・346

前回に引き続き仏事に関する条文。『御成敗式目』でも神仏関係の条文は最初に記載されていたが、合計2条に纏められているのに対し、こちらでは神仏関係だけで10条。辛酉革命を回避するための「徳政」だったのだが、もう一つ見逃せない事情がある。藤木久…

「関東新制条々」8−追加法344

ここからは仏事に関する法令。神仏に関する規定を最初に置くのは、『御成敗式目』を踏襲している。 本文。 一 可令如法勤行諸堂年中仏事等事 諸堂之勤、恒例有限。而供僧等、纔雖有勤修之名、更無抽誠信之志。被補其職之始、雖有法器之清撰、被補其職之後、…

伊賀鉄道860系

今日入手。実物はみたことがない。小学生の頃もしかしたら820系として京都線を走っていたかもしれないが、800系は記憶にあってもこちらは記憶にない。保育社のカラーブック『近鉄』で写真を見た時「カッケー!」(格好いい)と思ったので、もしみてい…

「関東新制条々」4〜7条、追加法340〜343(1月25日修正)

神事関係の御家人への禁止規定。八幡宮関係の神事と二所参詣、つまり箱根神社と伊豆山神社参詣への隨兵の規定。鎌倉幕府の行事として鶴岡八幡宮と二所参詣が将軍の年中行事としてあった。 一 放生会的立役事 一 同居隨兵役事 一 若宮流鏑馬役事 一 二所御参…

京阪2200系

マイクロから京阪2200系が出るらしい。これは困った。小学生の時にボール紙で自作したほど好きな車両なのだ。出れば買わないわけにはいかない。しかし7両編成セットで22000円強。これは痛い。鉄コレで販売してくれたら速攻買うけど。マイクロは造…

第9弾

結局ローソンにあったもの全部買い占めた(泣)。 山陽電鉄がほしくて、一発目に出たので、あともう一つ山陽が出れば終わり、と思っていたら、最後まで出なかった。国鉄モハ6662型がクハ66とモハ62の二両だけで変な具合になっているので、困っている…

「関東新制条々」4・5・6−「追加法」340〜342

これは題目だけしかない。残っていないのか、そもそもなかったのか、私は知らない。これは今(1月25日)読み直して気付いたが、これは次の条文と一括して扱われるべき問題である。したがって次の日のところに一括して載せ直す。 一 放生会的立役事 一 同…

「関東新制条々」3 追加法339

神仏関係の史料。 本文 一 可令停止神人加増濫行 神人者常陪社頭、可従神役。而散在国々以好梟悪、充満所々以致狼藉。自由之企、甚背物宜。早於新加神人者、削其名以隨停止。至本補神人者、忌事以可勤職掌。 読み下し 一 神人の加増濫行を停止せしむべし A …

第9弾(10と間違えていた)

買ってみた。近所のローソンで。東武と山陽。山陽はほしかったのでラッキー。ただこれは大きいので動力化するつもりはなく、まあばら売りで売っていれば残りを買ってもいいかな、位。

弘長二年「関東新制条々」2 追加法338

しばらくこれにかかりっきりになる。現政権が奇跡の浮揚を遂げようが、はたまた政権交替に至ろうが、このブログでは今後一ヶ月以上は「関東新制条々」61条の検討にブログでは専念したい。 第二条も神事の問題。『御成敗式目』では一条が神事、第二条が仏事…

「関東新制条々」1 追加法337

弘長二年に出された「関東新制条々」全61条を読むシリーズ。 本文。 一 可如法勤行諸社神事等事 祭、豊年不奢、凶年不倹。是礼典之所定也。而近年神事等、或陵夷背古儀、或過差忘世費。神慮難測、人何有益。自今以後、恒例祭祀不致陵夷、臨時礼奠勿令過差…

弘長二年二月二十日「関東新制条々」

弘長元(1261)年二月に全61条に及ぶ「関東新制条々」という法令が出された。追加法で言えば337から397にあたる。実はこの二月二十日という日は改元初日であり、前日までは文応二年であった。この年は辛酉であり、辛酉の年には革命が起こると言…

京福電鉄風に作る

「昭和の鉄道模型をつくる」にあまり手を加えずに京福電鉄風にしてみる。 京福電鉄風のレイアウトは『モデルアート』誌特別増刊でも取り上げられている。そこで述べられていることに、「極々普通の風景の中を走る中小私鉄という風情が多い」ために「誰が見て…