2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「琉球奉行」の事例

琉球使節の来日に関する室町幕府の記録。 琉球人参洛、当御代六ヶ度目、号長史。於御寝殿庭前三人懸御目、三拝申了ー庭鋪席。 一、女中衆御見物 一、御供東之御祗候 一、走衆六人、上土門南候了 一、進物料足一千貫、其外如先々 一、懸御目三人進物種々、自…

これはひどいウィキペディア「室町時代」

今回取り上げるのは「室町時代」の項目。今回は琉球との関係を取り上げたい。問題の箇所はここ。 1414年には将軍足利義持が琉球王の献上物に対する返礼の書状を贈っており、1441年には足利義教が琉球を薩摩国の島津氏の属国とする事を認めており、さらに幕府…

無題

一時間かけて書いた琉球宛の足利義教御内書に関する考察が消えた。とりあえず要点だけ。「御内書引付」にあるから御内書、という思考停止をやめよう、ということ。これを御内書に分類した時期の室町幕府自体が琉球との交渉を行わなくなって久しく、参考とし…

一色藤長宛徳川家康書状

天正三年、足利義昭は徳川家康のところに行こうとしたらしい。 内々御床敷之処、酒井左衛門尉、石河伯耆守かたへ之音簡即遂被見候。然者無何事其国御滞在之由候。万々令察候。兼又不図此方へ可有御越之由候。何篇不可有無沙汰候間、必待入候。尚具両人可申候…

足利義教御内書と畠山満家書状

御内書には大名の添状がもれなく、なのかどうかは知らないが、ついてくるものだ。『上杉家文書』に収載の足利義教御内書を見てみる。 1 長尾上野入道無二心中候之由、連々聞及候。尤神妙、向後彌致忠節候様、尚々可被申付候。殊更太刀一腰遣之候。可被伝候也…

足利義昭御内書の解釈

せっかく国家鮟鱇氏が解釈を提示してくださっているのだが、私の解釈とはいささかことなるので、解釈を提示してみる。 就近般信長恣儀相積、不慮城郭取退候。然此節甲州令和談、天下静謐馳走頼入候。為其差越一色中務大輔。猶藤長可申候也。 三月廿日 御判 …

痛風

水曜日、朝起きたら足首が痛かった。高校二年生のときに足首捻挫で少し曲がってしまっているのでそれか、と思ったが、考えれば寝ている時にそこまでひどくひねることはないだろうと思った。 木曜日には旅行にいったのだが、痛くて痛くて旅行を楽しむどころで…

面白い史料

こんな史料を見つけた。 就近般信長恣儀相積、不慮城郭取退候。然此節甲州令和談、天下静謐馳走頼入候。為其差越一色中務大輔。猶藤長可申可申候也。 三月廿日 御判 徳川三河守どのへ 織田信長と対立していた足利義昭が、武田信玄と和睦して織田信長と戦うよ…

昔話

Mac

今は昔、モバイルギアというのがあってだな、持ち運ぶの同時に筋トレをしていた人々にとっての福音となるかと思われたのであった。尤も私はMS-DOSを使えない負け組だったので、モバイルギアの第一世代とは無関係であった。GUIでなければコンピュータを使えな…

仮名書きの御内書2

「見たことがない」と「ない」とは違う。そこでとりあえず多くの御内書を集めた史料集を見てみることにする。 『改定史籍集攬』に「室町家御内書案」という史料がある。とりあえず御内書がたくさんあるのだが、そこに収載されている御内書における仮名書きの…

スマホ

一週間前にスマホにした。もちろんiPhone。もちろんソフトバンク。車はオリックス自動車でマツダだから、ドコモ携帯を使っていたこと自体がおかしかった。 ワープロが使えるのが便利。どこでも思いついたことをいろいろ書ける。あと便利なのは、調べたい史料…

仮名書きの御内書

私一人が「仮名書きの御内書はみたことはない」と力説したところで、「お前が見たことないだけだろ」と言われて終わりなので、優秀な若手研究者に聞いて見た。二人とも「ない」とのことであった。これで仮名書きの御内書はない蓋然性が高い。

「王女の男」をアジア史的パースペクティブに位置付ける3

「王女の男」、考えれば今日第1話なんだな。多分見ない。 その背景となっている「癸酉靖難」。1453年に前国王文宗の弟のスヤン・テグン(首陽大君)が甥の現国王端宗を廃して自ら王位に上った事件なのだが、そのころ一斉に周辺諸国で政変が起こっている…

素朴な疑問

故あって琉球の歴史を見ているのだが、不可解な記述がある。 室町殿から琉球国王への書状だが、御内書に準じた仮名書きの書状で、守護大名と同じ扱いで、同種同文意識が働いている、という話。 私は仮名書きの室町幕府の公文書など見たことがない。室町殿が…

「王女の男」をアジア史的パースペクティブに位置付ける2

「王女の男」は1453年の朝鮮王朝の政変を部隊にしたドラマだが、悪役のスヤンとシンスクチュには彼らなりの事情があったことを述べたが、日本・明・朝鮮だけではなかった。1453年には琉球でも志魯・布里の乱が起こり、首里城が炎上、その五年後には…