今日は嫌われる分野No1の随筆。小林久美子の随筆。「夫の遠征中」という記述があり、こりゃ小林繁やん、と思う。で小林繁についてまず10分、続いて江川問題に30分、阪神での小林繁の20分、で授業終了、あとは次回に近鉄バッファローズについて30分、という訳にはいかないので、さらりと流す。小林繁を知っている生徒はゼロ。江川問題については少数知っているものがいた。で、江川問題でトレードされたピッチャーという話をしたら、「あ〜」という声が漏れる。知っているのね。知らない人ごめんね。
で、随筆のポイント。事実と意見の読み分け。これにつきる。
随筆は大きくわけて二つのパターンに分類できる。想い出随筆と最近あった出来事随筆だ。前者を文学的随筆、後者を論説文型随筆と呼んでいるケースもあるが、そういう分け方は和つぃてきには疑問。論説文との境界があいまいになってしまう。
想い出随筆とは、「私が出会ったこんな出会い」→「その出会いが私にもたらした成長」というパターン。「国語」は成長が一つのキーワード。読解のポイントは作者の「成長」を見ること。従って「私が出会ったこんなクソ野郎」→「私の転落は彼との出会いから始まった」という随筆は読まされない。そもそもこんな随筆、子供に読ませたいですか?
最近会った出来事随筆とは「最近こんな(ズキャーン!)があった」→「私は(ガオー!)したろか、と思った」→「最近世の中間違っとる」というパターンが多い。概ね近年の若者をけなしたりするものだ。新幹線文化論ともいう。自分の子どものころと比べて最近の傾向をけなす。昔はよかった、とぶつぶついう。学問的には無意味なこの手合の文章、しかし入試では大人気。
ポイント。なぜ作者はこう考えるんだろう、などとまじめに考えてはいけない。必ず本文に書いてある。書いてないことを読み込まないこと。あと、「作者の意見は」などと聞かれるが、正解は「作者に聞けや」だが、それでは解説にならないので、一般的な傾向を。選択式の場合は「これはちがうだろ」というものをはずして考える。決して「これは正しいだろ」という基準で選んではいけない。記述式の場合は最後の段落からまとめる。どう考えてもちがう場合はその前。というように選ぶ。意見っぽい書き方、というのもあるので、その辺をまとめるのがポイント。もし読者の中に受験生の方がいらっしゃったら、参考程度に聞き置いてね。自己責任でお願いします。