2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

神風の風景 敷島の大和心

杉田上飛曹と宮沢二飛曹の処置に追われる吉田の元に菅野が入ってきた。 「軍医長、飛行許可を下さい」 「ん?わしが禁止してもどうせ飛ぶじゃろ?」 菅野は苦笑した。 「はい、しかし一応傷を見ていただきたいんです」 吉田は菅野の手術跡を診察した。 「ま…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

二日後、鹿屋基地に種子島から連絡が入った。 「敵艦載機の編隊、佐多岬より鹿屋に向かう」 すぐに発進命令が出され、Z旗がスルスルと上がる。吉田は医務室からZ旗を見ていた。しかしその時には山の向こうにグラマンF6FとコルセアF4Uが来ていた。離…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

菅野は第二神風特別攻撃隊の忠勇隊の直掩を務めていた。第二神風は艦爆(いわゆる急降下爆撃機)中心の編成であった。とりわけ忠勇隊は新鋭の彗星艦爆で編成されていた。 対空砲火がすさまじく、また雲も多かったため突入には手間取り、突入する特攻隊と一緒…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

「それで貴様は何がしたいのか。それをどれだけの人間に言ってきたのか」 梨山中佐は詰め寄る。 「特攻隊の人間に言うつもりはない。彼らがそれを知ったからといって救われるものでもありませんしな。しかし特攻に行かない我らは直視する必要がある。我々は…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene9 「貴様!そのようなでたらめを菅野大尉に吹き込んだのか!この非国民!」 梨山中佐は吉田軍医中佐に詰め寄った。 「非国民とは人聞きが悪い。関中佐が4度目で突入に成功したことは事実で、うそ詐りはない。そしてわしは別に関中佐が命惜しさに帰って…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene8 関大尉の突入六日後、菅野が内地の出張から飼えって五日後、菅野はマニラ近郊のニコルス飛行場にいた。突然山の向こうから白煙を上げた飛行機が飛んできた。 「空襲だ!見張り!何をしてるんだ!」 大騒ぎである。ニコルスには第一航空艦隊司令部があ…

これはひどい

本来連載物をやっている最中に腰を折られたくないのだがこれは黙視できない。 「オリコンチャート」記事めぐりジャーナリストに賠償請求 「言論妨害では」と批判も - ITmedia NEWS オリコンが個人(ジャーナリストとは言え)を相手に高額訴訟。近年多発する…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene7 一九四四年十月一九日、菅野が群馬県の中島飛行機で零戦の整備を待っている頃、第一航空艦隊司令長官に内定していた大西瀧治郎中将は二〇一航空隊司令山本栄大佐、飛行長の中島正少佐をマニラ来るように命じた。しかし大西中将自身がマバラカットにむ…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene6 半年前、菅野はフィリピンのマバラカット基地で空母銃撃の作戦に従事していた。当時連合艦隊が保有していた艦上爆撃機である九九式艦爆は旧式化して低速のため、新鋭の二式艦爆通称彗星が投入されていた、はずだった。しかし一向に彗星を使う日は来ず…

特攻の風景 第一章 敷島の大和心

scene5 343航空隊の司令部が集まっていた。第五航空艦隊司令部から343航空隊も特攻隊を出せ、という要請があったのである。その時菅野が吉田に方を支えられて入ってきた。 「ここは幹部の会合だ。君には用はない」 第五航空艦隊から派遣されてきた梨山…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene4 「久しぶりだな、菅野大尉」 吉田軍医中佐がにやりと笑った。 「その節は大分手荒くかわいがってもらったが」 菅野は「まずいヤツに会ったな」と思った。 「君は名隊長だそうだな。大酒のみだそうだから麻酔は効かないかも知れないが」 吉田はまたに…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene3 鹿屋に移動した343航空隊の菅野直大尉は鹿屋の士官食堂で懐かしい顔に出会った。フィリピン時代に部下だった土肥三郎中尉である。大阪師範学校(現大阪教育大学)出身の予備士官で、その後特攻隊を「志願」し、一人乗りのロケット特攻機桜花の搭乗…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene2 343航空隊が松山から鹿屋に移動することになり、司令の源田実大佐は鹿屋に出張していた。留守を預かっていたのは副長の中島正中佐。中島中佐のもとに佐世保鎮守府から電文が届いた。 「菅野直大尉を上官暴行の件にて取り調べたし。至急変更」 中島…

ガラナ2

本日ガラナ2が死去。二年前に買ってきた二匹のうちの生き残り。ガラナ1の混泳相手として導入。ガラナ2はそもそも写真が無かったのでそれがガラナ2なのかどうかショップも自身がなかったようだ。現に今年初頭には同じ種類とおぼしき魚が「マルチマクラー…

神風の風景 第一章 敷島の大和心

scene1 一九四五年一月初め。鹿屋の料亭鹿翠楼。一式陸上攻撃機を主体とする七五二航空隊の士官達が宴会をしていた。昨年十月二十五日神風特別攻撃隊の関行男大尉以下五人がフィリピン沖の米空母部隊に突入して以来、フィリピン周辺で特攻が行われていた。 …

素朴な疑問

安倍晋三総理大臣は衆議院教育基本法特別委員会で「戦後、とかく損得を基準にする風潮がはびこっている中で、すべての基本である教育の原則、理念を示す基本法を21世紀の日本にふさわしいものに変えていく必要がある。私が目指す美しい国造りにおいては、何…

いじめに関する議論

いじめに関する議論を見ていると、多くは「不良が普通の子をいじめる」と考えているようだ。その最たるものが「いじめに対して毅然とした対応」として「出席停止」などの「処分」でもって望もうとする動きである。またそれに反対する側も同じような立場に立…

消費税率上げると企業がもうかる

消費税を上げるとどうなるのか。面白いサイトを見つけた。 http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/syouhi/050912/050912.htm 当然消費税を上げろ、と大合唱になる。私が経団連の実力者でも同じことを言う。しかしこれでは一般庶民はたまらない。財界の利益のた…

キヤノン

今日の朝はばたばただった。講義が佳境に入った、といえば格好いいが、実際はあまり知らない分野に差しかかっているのだ。本来室町時代を専門にしている身には近代はつらい。石川啄木と大逆事件の関わりなんぞ知らん。しかし金田一京助と知里幸恵を考察する…

ミラーマン

私はミラーマンこと植草一秀氏を全く信用していなかった。氏がいくら無罪や冤罪を主張しようと、何となく信用できなかった。それは下に引用する氏の上申書を読んでもその考えはあまり変わらない。しかし氏に対する拘禁が長期にわたり、さらに一旦認められた…

イルミネータス逝く

昨日から状態の悪かったイルミネータスは朝には★になっていた。来た当初はスーパーエクエスとひたすらつるんでいたが、次第に疎遠になり、一人で流木の下に陣取っていたり、最近は多くのコリに普通に混じっていた。わが家のコリ水槽の中でもひときわ大きく目…

勉強時間

勉強を時間で計るのは出来の悪い受験生だ。私は割合出来が悪かったので時間を気にした。時間を気にする、と言っても私みたいに自分に甘い受験生は「何時間やったから大丈夫」みたいなことをいうのだ。問題は時間ではない。どれだけ中身のあることをやってい…

イルミネータス

調子が悪い。ひっくり返っている。多分あとわずかの命だろう。もともと大きく、老成していたので、わが家に来た時から短いつきあいであることはある程度覚悟していたが、実際にその日が来ると寂しいものだ。もともと独りぼっちのスーパーエクエスの相手とし…

素朴な疑問

小学校教諭が事故遺族の遺族の心情を逆なでするような写真をサイトに掲載していた件について。こういう時に「教育者が許せない」という声が多いが、教育者じゃなかったら許せるのか?謎だ。人間としてやってはいけない行為だと思うが。JRの車両を製造して…

殺菌灯

殺菌灯の交換。8000時間というから、多分もう過ぎている。一応付いてはいるが、切れる前に交換しようということで、スーパーエクエスと一緒に買ってきた。そして今日交換。接続している外部フィルターを止めなくても交換できるのがいい。殺菌灯に関して…

スーパーエクエス追加

昨日のごたごたで延期になっていたスーパーエクエスの引き取りに行く。入荷したことを知り速攻予約したのだ。入荷したのは二年ぶり。この前入荷したのは飼い込み個体。おそらく二年前に入荷した時に買われ、今年の9月に手放したものだったのだろう。そして…

ロ、元KGB職員聴取へ

ロシアのチャイカ検事総長は5日の記者会見で、亡命先のロンドンで不審死したロシア情報機関、連邦保安局(FSB)元幹部リトビネンコ氏の毒殺疑惑への関与が指摘されているFSBの前身、旧ソ連国家保安委員会(KGB)元職員のアンドレイ・ルゴボイ氏を…

「制度」としての「天皇制」と「身体」としての「天皇」

反天皇制運動の困難さは「制度」としての天皇制への動員が「身体」を通じて機能する点にある。「制度」に対する批判が「身体」としての天皇批判にすり替わる時、反天皇制運動は「非人間的」として非難される。しかし昭和という時代は「戦犯」という視点で昭…

水漏れ

昨日は水漏れで大変だった。青ベタが餌を大量に食べ残し、それを出した後に減った水を足していたら、そのことを忘れて仕事に。ヨメが帰ってきたら水浸しで青ベタは飛び出していたらしい。一応青ベタも無事だったが、他の魚だったら完全に死んでいる。そのあ…

裁判官「自殺」

何があったのか。背景を見る時に様々な見方があるなあ、と思った。住基ネット違憲判決。この原告が「左」なので「やばい」という意見も。結構「貴重な」意見で、私にはなぜそうなるのかわからないのだが、「左」の言うことを聞いたから権力から抹殺されたと…