2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

対訳『椿葉記』31

かくて院の御所にわたらせ給。さる程に内裏は廿日崩御なりぬ〈諡号称光院〉。践祚の事いまはひしひしとさだまりて、禁中は触穢なれば、三条前右府〈公冬公〉の亭を点じめされて新内裏になさる。俄に修理せられて殿舎などつくりそへらるゝとぞきこえし。同廿…

対訳『椿葉記』30

御共には綾小路前宰相経兼卿・庭田三位重有卿・綾小路中将長資朝臣、女中按察殿〈庭田三位女〉、御乳人などまいる。忠意僧正もいかゞともてなし奉りて四五日御逗留あり。さて室町殿より関白〈二条〉を以て、事の子細を仙洞へ申さるゝ程に、同十七日仙洞に入…