希望枠撤廃問題

巨人滝鼻卓雄オーナーの発言。

「希望枠の議論だけが暴走し、違和感を感じる。撤廃だけを決めるのではなく、FA(フリーエージェント)制度を含め、一体で改革してもらいたい」「この問題は早く決着させたい。セ・リーグが開幕する30日までには方向性を打ち出したい。議論次第で、制度さえしっかりすれば、今年からの希望枠撤廃もあり得る」(スポーツ報知)
「『遅くとも来春から』と根来さん(コミッショナー代行)がおっしゃっているということは、今年からの撤廃もある。ただ、はじめに希望枠撤廃ありきではなく、FAの短縮やドラフト全体を考えなければいけない。その方向性さえ出れば、今年からの撤廃も大賛成だ」「他球団が巨人だけを風除けにしているのは不愉快」(サンケイスポーツ
「巨人は今年の希望枠に固執しているわけではない。ドラフトの制度設計が必要」「2、3日で(制度を)つくれと言われても無理。その方向性だけを出してもらえればいい。(30日の)セ・リーグ開幕前には決着させる。それまでには自分の考えを皆さん(報道陣)に伝える」「他球団がメディアの批判を避けるため(制度改革の)議論もしないで枠をなくせと言ってるのはナンセンス。巨人を風よけに使って、巨人だけを悪者にしようという思惑を感じる」(スポーツニッポン
「今は希望枠をなくせなくせで毎日、巨人がたたかれている。1人だけ悪者になっている。他球団はマスコミにたたかれるのが怖いから、オレを盾に使っている。不愉快だ」「それまで決まらないということではない。ただ単に、希望枠をやめてくれというのはいかがなものか。西武の調査も終わっていないし、論議もしないで、希望枠だけを撤廃するのはよくない」(ニッカンスポーツ)
「希望枠、希望枠…。まるで球界の最大のテーマのように言われている。僕は非常に不愉快。(他球団は)早くメディアの批判を避けようと、巨人を風よけにしている」「開幕前に間に合わせるように自分の考え方、巨人の考え方を出していきたい。議論次第でことしの希望枠撤廃もあり得る」(デイリースポーツ)

滝鼻氏の議論でわからないのは、なぜ希望枠とFAの短縮問題をからめるのか、ということである。現在問題になっているのは裏金問題であり、それがプロアマ間の信頼関係を損ねている、という事実なのだ。従ってとりあえず希望枠の撤廃を行なってからグランドデザインを描く、ということがなぜ受け入れられないのか、ということだ。FAの短縮を急ぐ必要はないだろう。それこそ来年でもよい話だ。それを「FAの短縮ができないのならば、希望枠を残せ」というのは、希望枠存続のためにごねている、と取られても致し方のないことだろう。それを「巨人だけを悪者にしようとしている」とは、何と言う鈍感さか。FAの短縮問題を確実にするために希望枠を人質にする、という事自体が批判を浴びているのだ。
しかし何よりも悪いのは根来コミッショナー代行だろうと私は思う。そもそも代表者会議で巨人の意向を全面的に反映した文書を出して混乱させるから、話がこじれたのだ。