宿直員日記

宿直には日直勤務がある。日曜日の丸一日学校の事務室に詰める仕業だ。クラブ活動があるので、生徒対応もからんでくる。近所の苦情対応も仕事だ。けっこう鬱陶しい。
で、私が困った事柄があった。生徒が焼却炉を使わせてくれ、と来たのだ。こういうときのマニュアルがない。マニュアルにないことはやってはならない。これが組織の中の一員の大原則である。私は生徒が焼却炉を勝手に使うことを許可しなかった。「私等で責任を持ちますから」と言われても、できない、の一点張り。責任を取らされるのは私たちなのだ。生徒はブツブツいいながらあきらめた。
私が今回のJRの事故の時に救助活動を行わずに勤務先に向かった運転士の話を聞いたときに思い出したのは、私のこうした体験だ。とりあえず、自分の乗っている電車が事故った時にどうするか。当然電話するだろう。そして指示を仰ぐはずだ。その結果指示が出たら、自分の判断に従うのではなく、上司の指示に従うのが組織の一員の責務である。ここで、自分の良心に従え、などというのはまともに組織の一員として働いたことのない人だろう。(別にそのこと自体は問題ではない。しかし組織の論理を知った上で論評するのが最低限の礼儀だろう)もし、組織の一員として働いた経験があって、そのようなことを言っているとしたら、その人は組織で働く適性に著しく欠ける、と言わざるを得ない。
私はマスコミというところが組織の一員として働いたことのない不良社員ばかりなのか、それとも自分のことは棚上げして人をけなせばよいと思っている、言論人としての基本的資質にかける無責任な言論人もどきの巣窟なのか、どちらなのだろう、と疑問に感じている。
それから天王寺区でボーリング大会、二次会。あまり褒めたことではないかも知れない。しかし、では、そこで止めたとして何ができたのか。こういうところで煽って何の意味があるのか。私にはわからない。JRの本質的な問題点から目を背けさせ、JRの末端に怒りを向けさせる以外の意味があるのだろうか。
JRが今回の問題に限り、速攻真実を述べたのも、そのことを示している。私が今までJRのウソを書いてきたが、これを訂正する動きはない。にもかかわらず、JRは今回の問題だけは詳細に問題の中身を報告しているのだ。どう考えてもJR本体に向かうべき怒りをそらさせるための世論誘導以外の何者でもない。また大手マスコミをその世論誘導に躍起になる。JRから「提供」と言う名の金を貰っている大手マスコミにJRの問題点の最も難しいところをえぐり出すことを期待した私が間違っていたのかも知れない。