禁煙

私の塾は禁煙ではない。正確に言うと「禁煙ですらない」のだ。煙草を吸う人がいる、という配慮はかけらほどもない。しかし三人の喫煙者がいることは以前いつかのエントリで話題にした。私は煙草を一切吸わないし、気管支を長年の受動喫煙で病んでいるので(責任転嫁)、煙草を目の前で吸われたくないのだが、その三人の喫煙者は非喫煙者に対する配慮は一切なく、塾が終わるとすぐに歩き煙草。3分も歩けば駅だし、駅の喫煙コーナーで吸えばいいやん、と思うのだが、その3分が我慢できない重症のニコチン中毒患者なのだ。
私は喫煙者に煙草の害を説教するつもりは無い。煙草が人の健康に重大な影響を及ぼす、ということを知った上で喫煙しているに違いないし、分かり切ったことを一々説教するのは失礼に当たる。だから禁煙の勧めなど絶対にしない。しかしひょんなことからそのうちの一人が禁煙したがっていることを知った。結婚したのだが、相手から禁煙指令が出たようだ。遠距離恋愛で、結婚後もそれぞれの仕事を続けているため、別居状態が続き、週末だけ一緒に過ごす、という生活なのだが、相手の方が来る時に煙草のにおいが気になるらしく、禁煙を強く勧告されたようで、「禁煙で謂方法無いですかねえ」と聞いてきたので「ニコレットとかどうです」と勧めておいた。
数ヶ月後、ご本人に尋ねて見ると、見事に失敗・・・。お相手の方には「友達が遊びに来て煙草を吸っていた」と言い訳しているのだそうで。それだけ煙草の匂いって部屋に残るようなのだ。しかし週末は吸わないだけに煙草の量は少しずつ減少しているようで、今までは塾を出るとまず歩きながら一服。駅についてもう一本。乗り換えが二回発生するがいずれも一服。以上塾から家まで4本の煙草を吸っていたのが0本に。かなりの進歩ではある。
ちなみに禁煙の気配をかけらも感じさせなかった残る二人は見事に禁煙していた。一人は子どもが産まれたことを契機に、というゴールデンパターン。もう一人は禁煙するつもりは全く無かったのだが、ニコレットに何となく興味を抱いたらしい。別に禁煙するつもりはなかったがニコレットを使って見たらしい。すると何となく煙草が要らなくなったようで、何となく禁煙してしまったらしい。
禁煙に失敗した人にみんな口をそろえて言っている。「絶対に奥さんにバレてますよ」と。「煙草吸う人わかりますもん」と。「そうでしょうかねえ」と言っているが、はっきり言う。「めちゃくちゃ分かる」と。禁煙する意志のない人にはそんな無粋なことは言わない。しかしご本人は禁煙したがっているし、また迫られている人にははっきり言った方がいいと思うからである。