中川秀直氏の立場

安倍総理の辞意をあらかじめ知っていたのが麻生氏だけ、という情報で自民党の最大派閥清和会(町村派)は反麻生に舵を切った、というイメージだが、それに対する麻生陣営の反応。

自民党麻生太郎幹事長は19日午前、安倍首相の辞意を事前に知りながら適切な対応を取らなかったと党内で批判されていることについて、「誤解のような話がいっぱい流れている。情報を知っていたのが私だけだったという話になっているようだが、同様に知っていた方もいた」と語り、自分以外にも首相の辞意を事前に知っていた人物がいることを明らかにした。
これに関連し、与謝野官房長官は19日午前の記者会見で、首相の辞意を知っていた人物について、「(首相は)中川秀直氏に対して幹事長として信頼感を持って1年間ともにやってこられた間柄で、そういうことがあってもちっとも不思議ではない」との見方を示した。

確かに首相動静を見ていると、中川秀直前幹事長と麻生幹事長がわりに近い時期に安倍総理に面会していて、麻生氏だけに辞意を伝える、というのは不自然ではないか、という指摘もあった。まあ安倍総理と中川前幹事長の間はそれほどしっくりしていなかったから、麻生氏だけに辞意を伝える可能性もなきにしもあらずだが、中川氏も知っていた、とすれば、なかなかやり手だ。麻生氏は中川氏にはめられた、という見方も成り立つ。そもそも反麻生クーデターとか、安倍内閣崩壊とか、メディアに責任転嫁をするのは、よくあるやり方だが、メディアはそれほど自立性はあるまい。今の自民党は最大派閥清和会を支配する森喜朗氏、無党派層に今でも人気の高い小泉純一郎氏、参議院を押さえる青木幹雄氏に逆らうことはできず、麻生氏はその実力者3人を敵に回した、ということなのだろう。黒幕はメディアではなく、清和会だろう。メディアはそれに追随しているだけなのだ。