小泉王朝はたそがれているのか

朝日新聞本日付けのポリティカにっぽんでコラムニストの早野透氏は「終わりゆく『小泉王朝物語』」と題して福田康夫氏の総裁選出を分析している。福田氏の総裁選出、つまり福田政権の船出で何が終わり、何が始まるのか、ということについては、私見は明日の麻生氏の処遇を見てから考えたいと思う。ただ一つはっきりしているのは、朝日新聞の社説の言葉を借りれば「荒々しい政治」からの転換ということは言えるだろう。劇場型の政治においては「敵」を作り、それを叩く手法が使われる。その手法はおそらく福田政権では見直されるだろう。
早野氏は自民党の敗北の原因について、農村を回って声を集める。「公共事業がなくなって土建業者もリストラですよ。自民党の票集めなんてできない」「郵便局は局員も局長も反自民。しかも住民の住所をみんなつかんでいる」「市町村合併で議員も減ったからね」「農村はいじめられすぎて、今や無党派ですよ」
小泉サイドも安倍氏に不満も抱く。郵政造反組を「おかえりなさい」と歓迎し、靖国参拝は行なわない。その気後れからか安倍氏は小泉構造改革を否定しない。反小泉構造改革論者の麻生氏から「前政権の負の遺産を一人で背負うのはいかがか」と励まされて続投したが、力尽きた。
福田氏多数派形成の過程で見えてきたこと。福田陣営の主要人物達の話として早野氏は次のような発言を紹介する。「小泉改革がすごいのは、医療費など負担増はあったけど消費税を上げないでやりとげたこと。でももう、小泉改革は終わったんだよ」「地方にも小泉改革は終わったと宣言する。これから公共事業は増やさないまでも減らさない」福田氏自身からかつて聞いたこととして「欧州では社民政党が根付いているでしょ。保守党の政策もそれに近づいているんですよ」
最後の一文。「『小泉王朝物語』は、最後のページが近づいている。」