亀田興毅選手の会見

亀田興毅選手はあれで「全てを失った」という意見と「あれで再起できる」という意見がある。私はあれで好感を持つ人が出るのではないか、と予想している。「実はいいヤツ」というメタフィクションをしっかりと守ったからだ。亀田史郎氏が「謝れば負け」と考えて何の考えもなく謝罪会見を拒否したのであれば、ただのバカだが、実際にはどうなのだろう。もし、どうせ自分はボクシング界ではもはや生きていけない、とすれば謝罪会見に出るよりも、「謝るべきを謝らない」最低の人間像を演出することで、興毅選手を引き立てようとしている、と考えているとすれば、相当な策士である。実際のところはどうなのか、表に出ることはないだろうし、これも推測にしか過ぎないが、一応言及しておく。外れている可能性が高い、とは自分でも思うが。しかし結果的に史郎氏は悪評を一手に引き受けることで、興毅選手の再起に対してアシストになったことは事実だ。史郎氏は興毅選手、大毅選手を守っているようには全く思えない、と思っていた。反則の指示を自分ではやっていない、という発言は、全責任を大毅選手に負わせる最低の発言だったのだが、ここまでシナリオを描いていたとすれば、我々は「亀田史郎というメタフィクション」に見事にはまりこんでいることになる。