チベット問題

ダライラマ14世が声明を出したようだ(「http://www.excite.co.jp/News/world/20080424123504/Kyodo_OT_CO2008042401000327.html」)。

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世が、チベット情勢に関して中国の胡錦濤国家主席に書簡を送り、事態沈静化への協力を申し出ていたことが23日、分かった。ダライ・ラマの側近が米上院外交委員会に提出した声明で明らかにした。声明によると、書簡は3月19日付で、ダライ・ラマ胡主席に対し、混乱を収めるため自らの使節団をチベットに送りたいと申し出たという。

それに対してか、中国政府もダライラマとの対話を示唆(「http://www.excite.co.jp/News/world/20080425195117/Kyodo_OT_CO2008042501000904.html」)。

中国国営の新華社通信は25日、中国政府がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世側の度重なる求めを考慮、ダライ・ラマの私的代表と対話を行う準備を進めていると伝えた。中国政府とダライ・ラマの対話が実現すれば昨年7月以来。欧米諸国や日本からの対話再開を求める声が強まったことを受けた動きとみられる。北京でEU欧州委員会バローゾ委員長は対話の再開を示唆していた。

当面の落とし所としてはこういうところか。中国もいつまでも突っ張るわけにもいかないし、ダライラマ14世が独立を求めていないということを考慮すれば、ダライラマ14世が求心力を失い、チベットの不満が爆発する前にダライラマ14世との交渉を通じてチベット問題を当面収束させることが必要と判断したのだろう。
ともすれば独立か否かということが強調されてしまうが、少数民族問題においては二者択一的な議論は最も無意味である。
追記
星野仙一SDのサイトより(「星野仙一のオンラインレポートが大好きだった・・・」←数日で次の記事になるので注意)。

ものごとにはなにごとにも表裏も自他も白黒もあるように、ものの考え方にも常に二通りあるものだから、こういう事態や情勢になるとたとえ走っても走らなくても、どちらに立っても賛否両論いろいろといわれることになると思う。わたしが聖火リレーに出るのは「中国の支持のためでもなく、チベット問題についてでもない。オリンピックに出場する野球人の大将役としての務めに準じて」としていても、それでもいろいろな投書なり意見が直接、間接わたしのところへも押し寄せてくる。本音をいえば「困ったなァ」というのがここ(長野)へくるまでの思いだ。
中国へは野球の仕事を通じて行ったり来たりもするし、チベットとは昔から小さな慈善活動を通じてつながりもある。それでもこれだけ大きな問題になっているということは、大国である中国にも問題があるといわざるを得ないのだが、今夜のニュースでなにか話し合い(ダライラマ十四世側と中国政府との対話予定)も始まると聞いて、今は問題の沈静化や平和的な解決やその進展を祈りたいと思う、わたしもそういうひとりでしかない。