なるほど

備忘録として「保育園代執行で大阪府が本当に鬼畜な理由: BattleRock Blog」。
この問題そのものよりも、ネット上でのこの問題に対する反応が実に興味深、と個人的には思った。
第二京阪道路建設は大阪府のみならず近隣府県も含めた工事であり、仮に熊谷知事でも太田知事でも同じことにはなっただろう。ただネット上の反応だけは違った、と思う。思いつきなので間違っているかもしれない。
追記
思いつきの上に思いつきを重ねる愚をあえて犯すが、仮にこの前の知事選で熊谷候補が橋下候補を破って当選したとしよう。この問題への対応は変わっただろうか。多分変わらないと思う。第二京阪の事業主体は国であって府ではない。しかも大分前から決まっていたことであって、橋下知事になって急に浮上してきたわけではない。熊谷知事であったとしても、あるいは太田知事であったとしても、横山知事であったとしても、この時期に行政代執行が行われるスケジュールは変わらないだろう。二週間延ばす、という発想も、公務員の発想ではまずない。そもそもリンク先のような思惑が大阪府の担当者にあったとするならば、二週間伸ばすことはあり得ない。繰り返すが、この絵を描いたのは橋下知事ではおそらくない。府としてこのスケジュールは決まっていた。橋下知事に出来ることは、記者会見で釈明することだけだ。二週間延ばすことは不可能でもないが、道路関係の部局の反発を買ってまでやることでもなかった。それだけのことだろう。釈明の言葉に橋下知事のオリジナリティーが出せる程度のものだろう。私はこの一連の問題で橋下知事を過剰に批判することも、過剰に擁護することもあまり生産的ではないような気がする。私は橋下知事が嫌いなのでこの問題にこじつけてけなしたい気持ちは一杯ある(笑)のだが、意味がないように思えて控えている。
この問題は端的に言って道路建設の是非であるように思われる。気をつけなくてはならないのは、府にその是非を決定する権限はない、ということだ。府は国から委託されてこの事業を推進しているに過ぎない。府の財政云々という議論は本質を外している。府の財政を引き締める橋下知事道路建設を推進している、ということで、叩きたくなる気持ちはものすごくよく分かる(笑)が、為にする批判でしかない。だからこれは(1)第二京阪国道事業そのものの是非、(2)その時に行政代執行を急いだことの是非、あたりが論点としては適しているだろう。ただ推測にしかならないが、(2)の日程を決定する権限は、橋下知事には基本的になく、知事は道路関係部局の意思を述べているに過ぎない、ということだ。この問題は誰が知事をやっても結末はあまり変わらない。ただネットの反応だけが違う、というのは、そういうことである。これにかこつけて橋下知事を批判しようという議論と、橋下知事を擁護しようと言う議論が出ているだけだ。
私なりの見解を述べれば、熊谷府政が実現していれば、同じように行政代執行は行われただろう。ただ色々な意味でネットの反応はかなり違ったものになったのではないか、ということになる。
追記2
まあ橋下知事の個性が現れているのが「涙を利用した」という発言か。おそらく橋下氏と知事選を争った熊谷氏が知事になっていたとしても、共産党の誰だったか忘れたが、何かの間違いで当選したとしても、太田房江知事であったとしても、行政代執行は行われていたように思う。ただ違うのは、その時の知事の発言で、相手側を非難するのが橋下知事の流儀なのだろうとは思う。例えば他の知事だったら「気持ちは分かるが、仕方がない」という毒にも薬にもならない発言でお茶を濁しただろう。そこのところを踏み込んで発言して当事者の神経を逆なでし、同時に支持層の気持ちを高揚させ、よく言えば議論を活発にし、悪く言えば煽る手法を批判したり、評価したりするのはありだろうとは思う。