WBC日韓戦決勝打の場面考

WBCでイチロー選手を敬遠せずに勝負に行って決勝打を打たれたイム・チャンヨン(林昌勇)投手だが、やはりベンチワークにいささか問題がある気がする。日本球界のヤクルトスワローズでクローザーを務めるイム投手の性格、というより、クローザーに多くみられる性格として気合いで押さえるタイプが多い、ということが前提である。日本球界に行って、そこでクローザー、というより守護神を務めるには相当の精神力が必要で、気合負けをしては、打たれてしまう。韓国チームにとっての宿敵イチローを倒してこその世界一、とイム投手が考えたとしても止むを得ないだろう。藤川球児投手がタイロン・ウッズ選手にストレートを11球続けて投げて決勝タイムリーを打たれたり(2007年)、同じタイロン・ウッズ選手にまたもやストレート勝負を挑んで決勝ホームランを打たれたりするのは、クローザーの宿命でもある。あそこで下手に変化球でかわして、さらに際どい所を衝いて四球でも出そうものならば、逆に次の打者に打たれるリスクが出てくる。そこで監督が自らマウンドに足を運んで、投手を説得しなければならない。監督がわざわざ足を運ぶことで意気に感じて気持ちを切らせずにイチロー敬遠、中島勝負で割り切れるのである。
金城漢主席コーチのコメントからうかがえるのは、ベンチワークのミス、というか、クローザーのプライドに配慮しない作戦だ。

金寅植監督は確かに真っ向勝負するなとサインを出した。誘い球で勝負して、イチローが引っかからなければ歩かせろと指示し、投手コーチが捕手にサインを送った。ところがなぜかカウント2−2から真ん中に変化球がいった

これに対するイム投手のコメント。

サインを見誤ったが、勝負したい気持ちもあった。誘い球が失投になった

そしてイム投手がかつて所属したサムソンの金応竜球団社長のコメント。

林昌勇はわざと真っ向勝負した。現場にいなかったから100%は断言できないが、昌勇を長年見ているから分かる。『歩かせろ』のサインを出すとわざと中に投げて打たれたり、何回驚かされたか分からない。首脳陣は昌勇の性格が分かっていなかったのだろう

以上の出典(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090328-00000017-ykf-spo)。