阪神ファンの一番楽しい時期3

城島健司選手はほぼ阪神で決まり、だろう。これについて賛否両論があるであろう。曰く「巨人みたいなことをするな」「せっかく狩野恵輔選手が出てきたのにどうするつもりだ」と。両方ともヨメの言い分だが(笑)。それについては反論もあり得る。「暗黒時代に戻れるのか」とか。どちらの気持ちも分からないではない。ただ私は腹の底では「暗黒時代に戻れないよな」という気持ちがする。現在金をかければ強いチームができるシステムになってしまっている。このシステムの可否はともあれ、現状このシステムで動いている以上、このシステムに背を向けて弱小チームに甘んじるのか、このシステムに乗っかって強いチームを作るのか、の二者択一である。金をかけずに若手を抜擢して育成してFAで移籍されるのか、金をかけて補強して、その合間に若手を育成するのか、の二者択一である。阪神は後者、つまり金をかける方針を2002年に採用した。今年は使った金が尽きてきたのである。阪神が取るべき道は二つ。金をつぎ足して強いチームを作ろうとするのか、金を惜しんでしばらく若手の育成、という名目で弱小チームに甘んじるのか。阪神は広島や横浜ほど育成が上手くない。横浜や広島以下のチームになるのは必定である。とすれば、城島健司選手獲得に動くのもやむなし、と考えている。
狩野恵輔捕手に関してはあるいは外野手転向があるのかもしれない、と考えたりする。そもそも狩野捕手の抜擢の経緯が不可思議である。矢野輝弘捕手が肘の手術で出遅れ、一軍御キャンプに抜擢された狩野捕手だが、送球難で2軍降格となった。この段階で矢野捕手のサポートは岡崎太一捕手と清水誉捕手だったはずだ。そして若手の期待株の小宮山慎二捕手が評価が高かった。しかし矢野捕手がシーズンに間に合わない可能性が強まった段階で狩野捕手が急きょ一軍に呼ばれて正捕手となった、ように記憶している。つまり狩野捕手が今年スタメンマスクをかぶったのは、もともとは応急処置だったはずで、阪神は次代の正捕手を小宮山捕手と考えていたのではなかったか。小宮山捕手が成長してくるまで何とか矢野捕手ががんばってくれたら、という目論見があったのかもしれない。私も昨年の今ごろは矢野捕手はあと数年はいける、と思っていた。しかしどうもかなり苦しい、ということが明白になったころ、阪神は城島捕手が日本球界復帰を考えている、という情報を手にして、矢野捕手から小宮山捕手へのつなぎに城島捕手を入れようとしたのではないだろうか。狩野捕手には足がある。盗塁の技術を磨けば、外野手として赤星憲広選手の後釜になれるかもしれない。送球難はキャッチャーとしては致命的でも、外野手ならば少しくらいならば大丈夫だ。送球難から外野手に転向して大成した例として田口壮選手や福留孝介選手がいる。
城島健司捕手の魅力は打力もあることだ。金本知憲選手の後釜の4番候補は、もちろん新井貴浩選手だったのだろうが、昨年・今年と長打力の不足を露呈した。広い甲子園、相手投手の厳しいマークでは、広島市民球場で下位球団で打っていたころの打撃とはかなり勝手が違うようで、いささか苦しんでいる。城島捕手に近い将来の4番を打たせようという考えがあるとしても不思議ではない。
もう一つ、桜井広大選手だが、桜井選手への指導や使い方について、広澤克実氏はいささか不満なようで、桜井選手を中距離打者にしようとしている、とか、6・7番の打者への扱いだとか、采配批判をしていたが、真弓明信監督はあるいは桜井選手については、将来のクリーンアップというよりも、6・7番を打たせる打者として考えているのかもしれない、と考える。鳥谷敬城島健司新井貴浩という次代(?)のクリーンアップの次のクリーンアップはまだ入団していない選手が中核になるだろう。
というような、根拠もない希望的観測だけで彩られた妄想を垂れ流すのが、弱小阪神ファンの最大の楽しみであるわけで(笑)、今年は十月まではこういう現実逃避をしなくてよかったことを感謝しよう。下手するとゴールデンウィークにはとらぬたぬきの皮算用をしなければならないこともあるわけで。