はてなスターは怖すぎか

結論:身に覚えの無い事柄で人間性を否定された時に、その根拠を尋ねたら、「怖い」と言われた。身に覚えがないことで人間性を否定されてもだまって耐えなければならないはてなスターは極めて重いシステムであり、怖いシステムである。
どういうことか。
何も考えずにスターを適当につけたら根拠を聞かれた。スターって怖い、重いシステムなのか、という問いがあるようだ。一応当事者として申し述べておかなくてはなるまい。
「何でこんなクソ記事にスターつけたの?」と聞かれるのは気分のいいものではない。「付けた理由は」と聞かれれば「別に」「特にないです」(エリカ様風)でいいと思う。
ではこれはどうだろうか。「○○を殺します」と書いてある。そこにスターが付いている。書いた本人にも聞きたいことは腐るほどあるけど、スターを付けた人にも「オレのこと、どう思っているわけ?」と聞きたくなるだろうし、それについて「スターはそんなに重いシステムなのか」「スターって怖い」とのたまえば、「明白なる害意を持っている人に対して反論も許されない怖い、重いシステムなのか」と言いたくなるだろう。
では、これはどうだろうか。
「甲と乙の、Aという人間として許されない行為に対する怒りが先立って、議論を追いかける気にもならない」
甲と乙はAという行為をしたことがない、とする。甲と乙が本人にその根拠を問うた所、全くの根拠もなく「人間として許されない行為をした」と決めつけていたことが分かった。こういう記事にスターを付ける行為が意味するものは、明らかであろう。甲と乙がAという人間として許されない行為をしていた、ということを何らの根拠もないのにも関わらず信じ込み、しかもそれに対する賛意を表明している、と受け取ることはあながち不当ではないだろう。
さらに甲と乙がAという行為を行ったのが「党派的な立場があったから」という分析が為されていた場合、その記事を書いた本人が党派的立場から、つまり甲と乙に反発する立場から甲と乙を根拠もなしに「Aという人間として許されない行為」をした、と決めつけていることが明らかである。そこに賛意を表明する行為もまた党派的であることは論をまたない。
しかも言い訳として「議論を追いかける気にもならない」というところに賛意を表明しただけだ、というのは、言い逃れにしか聞こえない。何となればその記事の主が「議論を追いかける気にもならない」のは「甲と乙がAという人間として許されない行為を党派的な立場から行った」からであるからだ。「議論を追いかける気にもならない」という悪意を持った評価に同調する前提に甲と乙が人間として許されない存在である、という共通認識がなければ、そもそも「議論を追いかける気にならない」という評価をなぜ下せるのだろうか。「議論を追いかける気にもならない」のは、甲と乙がAという行為を行った、あるいは甲と乙はAという行為をしかねない人間である、と考えているからではないのか。前提条件を無視して結論だけに賛同した、ということは、基本的にあり得ない。
さて、全く見の覚えのないAという行為をした、と指弾された甲と乙は何をなすべきか。少なくとも「Aという行為をした記憶はないが、もしあればそれを示してほしい」ということは許されるだろう。それは本人に対してはもちろんだが、その記事に賛同の意思表示をしている人々も甲と乙はAという行為をした、と考えている、として、スターを付けた人でもいいから、示してほしい、というであろう。そしてそれが全くの虚偽であることが判明した場合、本人に対して不信感を抱くのは当然として、スターを付けていた人にも「なんでオレがAということをした、と信じられるわけ?オレに恨みでもある?」と言いたくなるであろう。その恨み節も「怖い」のであろうか。
さらに記事の主が謝罪をするのはいいとして、スターを付けた人々にも謝罪をしていた場合、人によっては「根拠なく人を誹謗中傷する記事にスターを付けて恥をかくのは自分の責任なのだから、スターを付けた人にまで謝らなくてもいいだろう」と言いたくなる人もいるだろう。それくらいの感情的な対応も謹まなければならないのだろうか。
身に覚えのないことで人間性を否定され、その記事に賛同する人も含めて「そんなひどいことをやったっけ」と聞くことすら「怖い」と言われて許されないのであれば、身に覚えのないことで人間性を否定された側はどうすればいいのだろうか。
注記
この文章は一般化している。理由は3つ
1 当該記事の主とはすでに話が付いており、主の真摯な誠実な対応に感謝しており、これ以上蒸し返す意図は全くない。にも関わらず蒸し返したい第三者がいる以上、こちらも降りかかる火の粉は振り払わなければならない。
2 決着済みのこの話を蒸し返したい論者も一般化して論じている。そこに個別具体論をぶつけても「あなたの話ではない」として「自意識過剰だ」と論難される可能性が高い。従ってこちらもその論者のエントリとは一切関係がない、という形にしないと有効な反論にならない。
3 このエントリにおける「甲と乙」を個別具体化した場合、極めて政治的な文脈に落とし込められる可能性が高い。「甲と乙」を自分に、「A」を自分の身に覚えの無い極めて非道な行為である、と置き換えて自分の身に惹きつけて読んでいただきたい。