内地研究員

大学や大きな博物館の学芸員には留学が認められている。私のような非正規雇用の教員にはそんなものはない。生活の糧を稼ぐ暇を見つけて論文を執筆し、大学の講義の準備をしている。非常勤でありながら高いレベルの研究をやっている人々がいる。私も見習わなければと重いながら毎日の忙しさにかまけてさぼっている。
留学には内地留学と外国への留学がある。私の指導教授の場合、私が三回生の時にアメリカに留学していた。日本史研究者でも外地留学はある。平泉澄羽仁五郎石母田正はいずれもドイツに留学に行っている。今は韓国や中国に留学にいく人が目につく。
内地留学というのもあって、私の指導教授は東京大学史料編纂所に内地留学をしていた。体調を崩して「内地留学」となるケースもある。私が二回生の時に教えて頂いた教授はその前年に内地留学をしていたが、事実上は療養だった。内地留学の二年後、胃ガンで帰らない人となった。