刑法202条

「"いきなり"には気をつけろよ。いつも誰かや会社やセキュリティーやディフェンスがある訳がないからな 人間に」とか「確実に"お礼参り"行くからよろしく」とか「今晩からでもゲイ狩りでも開始してやるよ」とか「それかいきなり蹴り入れて歩くとかさ いやマジで」とかの発言について。
関係法令は刑法202条になるだろう。

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

主要判例

他人を畏怖させる意思で、その人を畏怖させる危険のある害悪を通知すれば、被告人が害悪の発生を望まず、また言にその他人を畏怖させなかったとしても本罪は成立する。(大判大6・11・12)
脅迫罪における害悪は、告知人自ら加えるのではなく第三者に加えさせるものでもよいが、その場合には告知者がその害悪の発生に影響を与えうる立場にあることを相手方に知らせれば足り、真実そのような立場にあることや、その害悪の実現が可能であることは必ずしも必要でない。(東京高判昭32・3・7)

蛇足だが、もちろん脅迫罪は親告罪ではない。
追記
この問題は一個人がヘイトスピーチをした、とか、ヘイトクライムを書き込んだ、とか、脅迫的な言辞を書き込んだ、とかいう問題ではない。あくまでも俳優のオフィシャルブログで行われたことが問題なのだ。アメブロは「タレント自身の記述で問題になりそうな個所を発見した場合は、タレント事務所に逐一連絡し、炎上を未然に防ぐシステムも万全である」(「炎上阻止部隊がスゴイ!? タレントブログ始めるならアメブロ!!|日刊サイゾー」)ということのようである。
タレントブログに関しては以下のような対応をとっている、という。

「タレントブログのサポートを専門に、社員と社外に委託している人員を含め、合計30人ほどの監視チームが24時間体制で管理に当たっています。明らかに誹謗中傷と思われるコメントを発見したら、即時に削除します。機械に頼らず、すべて目視で確認しているため、完璧に近いほど柔軟に対処することが可能です」(アメーバ事業本部・エンターテイメントディヴィジョン・ゼネラルマネージャー・藤井琢倫氏)

今回の最大の問題は、タレントが書き込み、そこに賛同のコメントが連ねられたことをアメブロが放置した、というレベルでもない。アメブロが「合計30人ほどの監視チームが24時間体制で管理に当たって」いて、「明らかに誹謗中傷と思われるコメントを発見したら、即時に削除」する体制を整えているとすれば、批判コメントが削除され、賛同コメントが残された、といわれても仕方がないだろう。実際にはアメブロサイドからの説明がないために、そのような推測がなされる余地がある。アメブロ自身の管理体制の不備の問題でしかない。しかも批判が相次ぐと「削除→退会」という「臭い物に蓋」という対応を行ったことは、問題をややこしくしただけである。