夕刊フジから良記事(「デマメールにご注意! 評論家「歴史から学ぶべきだ」 - 芸能 - ZAKZAK」)。こういう時期だからこそ、我々に出来ることとして、ネットのデマを広げない、ということは必要であろう。そういう意味で、こういう記事があることは非常に参考になる。

芸能人が有効な情報の“拡散”にひと役買った一方で、チェーンメールツイッターなどでデマとみられる情報が流れている。ネット上の流言に詳しい評論家の荻上チキさんは、自身のブログで「こうした情報に触れたときは、いったん冷静になってみよう」と呼び掛けている。
 11日の地震発生時に起きた千葉県市原市の製油火災の後、「有害物質が雲などに付着し、雨などといっしょに降る(中略)コピペとかして皆さんに知らせてください!」というデマがチェーンメールで出回った。
 思わず不安になるような情報。荻上さんは、インターネットなどで他にも正確な情報を得られるなら、まず「自分がこの情報を他の人に広げる必要があるか、問い直してみて」と話す。
 津波など本当に緊急避難が必要な場合は、マスメディアや行政など「確かな情報源」が報じている。メールやツイッターで情報を拡散させることは簡単だが、「今すぐ行動する必要がないのであれば、一度判断を保留して、発言している『主体』が誰なのかを確認し、いくつかの情報を比べて事実を確認するべきだ」とアドバイスする。
 福島の原発事故に関しても「放射線、専門家は濁していますが(中略)関東まで余裕で届く勢いだと思われます」といったメールが流れた。
 「不安な気持ちから『情報統制されている』という発言が出るが、不確かな情報からは距離を取るべきだ。その分野の専門家や取材機関など、自分よりリテラシー(専門知識)のある人の検証や発言から事実関係を読み取ることが大切だ」
 一方で、不安をあおるデマ以外にも政治家や特定の人物などを非難、攻撃する発言もネット上に出ている。荻上さんは「特定の敵をつくるデマや発言が何を引き起こしたか、歴史から学ぶべきだ。政治家の責任追及は後でもできる。むしろ今、為政者に何をさせるべきか。それを要求することが先だ」と話す。
 災害時などに「何かをしたいという気持ちは分かる」という荻上さん。だが「ツイッターなどで“プチ・マスメディア”的な振る舞いをすることも、使い方を誤れば善意の無駄遣いに終わる。不慣れなことをせず、熟練した人たちに任せ、自分ができることを探そう」と呼び掛ける。

ネットのあいまいな情報に躍らされるおそれは誰にでもある。
夕刊フジが秀逸なのは、「不安をあおるデマ以外にも政治家や特定の人物などを非難、攻撃する発言もネット上に出ている。荻上さんは『特定の敵をつくるデマや発言が何を引き起こしたか、歴史から学ぶべきだ。政治家の責任追及は後でもできる。むしろ今、為政者に何をさせるべきか。それを要求することが先だ』と話す。」という、「特定の敵を作るデマや発言」の実例を同じ紙面で実演しているところにある。実際に夕刊フジのサイトを見れば、「特定の敵をつくるデマや発言」の実例がいっぱいだ。