××を真面目に読んでみるシリーズw

現在「××を真面目に読んでみる」ということで、史料を一生懸命読んでいる。「史料を真面目に読みましょう」というメッセージを私の報告から汲み取っていただいたので、それをテーマにしようか、と。まあ私の過去をご存知の方からすれば「どの口がそれを言うか」ということになろうが(爆汗
で、現在『満済准后日記』永享四年十月二十一日条と十一月十五日条を真面目に読んでみる、ということを二十年弱やっているわけだが、最近ようやく分かってきた。榎森進氏と家永遵嗣氏を中心に批判せねばなるまいが、相手がビッグネームであるだけに、慎重に必勝を期してやらねばならない。でもそろそろまとめようと考えている。「嘉吉年間安藤康季十三湊還住説」はどう考えても成立しないが、現在完全に通説の地位を占めている。中世北方史研究の現状と問題点を如実に表している。
次に「津軽船関係史料を真面目に読んでみる」。「関東御免津軽船」と「十三丸」の史料。黒嶋敏氏の近著『海の武士団』の説明に少しく物足りなさを覚えたのである。メチエという一般向けの書籍であることを考えればやむを得ないとは思うので、自分なりにもう少し深めてみようかな、ということで、黒嶋批判というわけではない。前者に関して言えば、なぜ14世紀初頭の越前国で交易をめぐるトラブルが頻発したのか、後者については、なぜ一色被官と武田被官の間で訴訟になったのか、ということである。ちなみに後者の問題で主役となる「十三丸」について流通経済史の研究者に伺ったところ、「津軽船だと思う」との回答を得たので従うことにした。で、これを「真面目に」読んでみたところ、『新羅之記録』や「徳川家康黒印状」の解釈も新たな解釈を得ることができた。近々まとめる予定。
で、今ごそごそやっているのが「安藤康季宛足利義量御内書を真面目に読んでみる」。あれは足利義量の御内書でいいのだろうか、という問いから発して、そもそもなぜあの御内書が今日まで残存してきたのか、ということを考えてみようという企画。大館晴光という人物がポイント。