事故の原因について

車両の軽量化とか、ATS−Pの未整備だとかを言ってもはじまらないだろう。軽量ステンレス車が鋼製車両に比べて弱いかどうか、ボルスタレス台車がカーブに弱いかどうか、などということを今更言って何になるのか。例えば件の快速列車が103系だったら死者が半分に減っていたとして、それがどうしたのだろう。亡くなった人にとっては、一分の一である。そもそも一人の死者も出してはならない。もちろん想定の範囲外の事故であれば、まだわかる。しかし昨日も述べたように、この事故は想定の範囲内の出来事なのだ。起こるべくして起きた事故なのだ。103系であろうが、113系であろうが、めちゃくちゃ頑丈な73系や43系であろうが、マンションに突っ込んだら、多数の人命が失われることは想定できる。置き石が原因との見方もある。しかし枚方事故の例からもわかるように、握りこぶし程度では脱線しない。あの事故はリア厨が脱線する現場を見たくて、石を置いたが、はね飛ばされてしまい、絶対に脱線させたる、との強い意志を持ってコンクリートのフタを置いた結果、厨房の希望通り脱線したのである。コンクリートのふたを持ち込んだのであればともかく、石程度で脱線することがそもそもあり得ない。軽量ステンレス製の電車で、しかもガタイがでかく、重心も高い207系ということを差し引いても、根本原因を改善することなしに犠牲者の無念をはらすことはできないだろう。このような事故が再び起こらないようにすることが犠牲者に対する唯一の供養であろう。で、繰り返すが、余裕時分をけずったことが根本原因なのである。そしてそのような無理を、乗客の利便性向上の美名のもと、現場に押し付けるJRの労務管理こそが問われねば成らない。しかし上で見たようにJR西日本にはそのような意識はないらしい。会社の責任を何とか逃れたい、という気持ちがすけすけだ。現場と石と電車に責任を着せようとの思惑が見え見えだ。しかしJRは現在の非道な労務管理体制を見直さない限り、惨事はまた起こるだろう。
追記
日テレの「今日の出来事」を見ていたら、JRのきつい罰則のことが言及されていた。尼崎駅では10秒単位の遅れまで監視されているようで、「これではプレッシャーがひどすぎますよ」と言っていた。想像を超える定時運行へのこだわりである。それだけの厳しさを求めながら余裕時分をきりつめるのは、現場いじめ以外の何者でも内。「昔はできていた」と昔の「神業」を持ち出すバカはいないだろうし、私もまだ見ていないが、昔と今とは異なる。もしJR内部に昔の定時運行を持ち出す輩がいたとすれば、それは事故を起こす大きな要因になっていることは間違いない。マスコミ各社にはJRの体質的な問題点を掘り下げる報道を期待したい。
ってこんな過疎ブログで何をいってるんだ、オレ。