博士になりたい2

博士が、男子のなりたい職業の第三位だという。私もエビ博士になりたかった位だから、人気があるのかもな。しかし「博士」という職業はない。「博士」というのは学位である。
大学を出ると「学士」学位がもらえる。エビ学士、というのはないので、その場合、「学士(理学)」となるものと思われる。もしくは「学士(農学)」か「学士(水産学)」か。何学かは出身学部によって決まる。ちなみに一九九二年まで大学の文学部を出た人間に与えられたのは「文学士」である。注意すべきは「文学士」は学位ではない。称号である。だからわたしの大学卒業証書には「文学士と称することを認める」とある。だれも称さないと思うが。この旧学位規定のもとでは修士は「文学修士」博士は「文学博士」だったのである。しかし学問の多様化にともない、境界領域的な研究分野が出現してきた。情報政策学とか、国際関係学とか、アジア太平洋学とかである。こういう分野に例えば「情報政策学士」「情報政策学修士」情報政策学博士」なんだか変だ。こういう事情でもないだろうが、一九九二年三月授与分から例えば「博士(文学)」となったのだ。それとともに大学卒業した人にも新たに「学士」学位が与えられることになった。九二年三月以降に大学を卒業した方はご自分の卒業証書を見ていただければわかるが、そこには「卒業証書」ではなく、「学位記」とあるはずだ。
で、女子の第四位に学校の先生というのがあった。ちなみに文系の博士の大半は学校や塾や予備校の先生だ。それしか専門を活かせる仕事はない。でなければ、新幹線のパンタグラフの掃除とか高校の宿直とか中華料理店の調理補助とかになる。コンビニもあるか。理系の場合は企業の研究員とかもあるが。
もし身の回りに「博士になりたい」というお子さんがいらっしゃれば、「博士になってなにがやりたいの?」と聞いてあげましょう。大きなお世話か。