レポート

私のバイト先の大学では学生に課題を出せ、とうるさい。そんなことをしたら、やる気のない学生まで出てくるので講義がうるさくなる、というデメリットがあるのだ。
しかしやれ、と言われれば、やらねばならない。これがバイトの宿命だ。
で、文献を読ませてそれについてのレポートを書かせている。結構課題を間違える人がいる。私は鎌倉新仏教といわゆる「旧仏教」といわれる「顕密体制」に関する学説について書かせたのだが、中に新仏教そのものと旧仏教そのものについてまとめてきた人がいたのだ。こういうミスをしているのは全て日本人学生だった。留学生は少なくともその点のミスは無かった。
思うに課題を間違った学生は文献を読んでいないのだろう。で、自分の知識の中の鎌倉新仏教に関する知識をひたすら書いてくれたのだ。留学生はそもそも鎌倉新仏教そのものを知らなかったりするので、逆に文献を読むしかない。だからこちらの要求する内容のものを書いてくれたのだ。もちろん日本人学生の多くもこちらの意図を解してくれて力作を書いてくれているのだが・・・。
レポートを書かせていて思うのは、読み手のことを考えていないのが多い。具体的にいえばルールを守らない。例えば書式を指定する。A4とかB5とかだ。ところがルーズリーフに書いてくる人もいる。私はレポート用紙を作成して渡しているのだ。ワープロで提出する人にはA4に打ち出せばいいとは言ってある。中には私のレポート用紙に貼り付けてくれる親切な人もいる。そういうのは高得点を付けたくなる。逆にルーズリーフのものとか、勝手に半分にちぎって出している人とか、そういうのは落としたくなる。実際にはこの小レポートは提出すればいいことになっているので、差はつけられないが。これが成績をつける本レポートだったら・・・。当然評価には大きく反映する。こちらは大量のレポートを、短期間のうちに評価せねばならないのだ。
そもそもレポートならば単位がなくなる、という軽微な損害で済むが、実際の仕事では困るだろう。上司に提出するレポートは一生が決まってしまうかも知れない。そういうことをどれだけ学生さんは考えているのか、時々不安になる。少なくとも人の肩書きと名前を間違えないように。あと読める字を書いてくれ。最後に自分独自のルールで書くな。以上、大学生の皆様にお送りするレポート執筆の注意点でした。クォーター制の大学では最初のレポートが始まるでしょう。頑張って下さい。
注意点 これを書いている人間の正体に思い当たる節のある人は、私のところに来て「読みました!」などと絶対に来ないように。あなたの考えている実在の人物ではありません。私は脳内のみで存在するバーチャル人格です。