鉄ヲタ流井手相談役インタビューの読み方

周回遅れだが、井手相談役のインタビューを読んで慄然とした。わかっていない、というよりわかっているんだろうけど、ごまかしているんだろう。今回の事故は国鉄時代の官僚主義を払拭できなかった点にある、と。これをJALの社長が言うのであればわかる。しかしJRは別の問題だろう。これは労組はけしからん、というメッセージだ。労組関係者からそれが出るのであればわかる。しかし経営者が自分の責任を棚上げする時以外には出るはずがない言葉だ。井出氏は明らかに自分の責任を棚上げしようとしている。これでは事故の再発防止は無理だろう。
JRとJNRの違いについて鉄ヲタにとっては分かりやすい例を挙げよう。国鉄官僚主義の最たる車両はキハ40系列である。JRの体質を表す最たる車両は223系2000番台である。これだけで鉄ヲタの方にはわかっていただけるものと思う。
キハ40系列とは国鉄末期に落成した車両で、いかにも官僚的かつ労使妥結的車両だ。官僚的たる所以は、そのエンジンにある。高度経済成長期に作られたDML30HSエンジンを出力ダウンさせたDML30HSHエンジンがある。キハ66・67に使われたエンジンだが、出力ダウンさせて安定性を高めるというところに国鉄的官僚体質があるのだ。民間ならば頑張らせるだろう。何も出力ダウンという手は取らないはずだ。さらにそのピストンを半減させたDMF15系のエンジンを使うという荒技。なぜキハ66系列と同じにしないのか。理由は安定性だ。高性能よりも安定性、これが官僚的な発想だ。労使妥結的、というのは同時期に作られた車両全てに該当する。運転席が見えないようになっているのだ。運転を監視されないようにハードレベルで配慮されている。
一方223系2000番台は反対だ。車体はしょぼいが、走り装置は最高級。それがもうかるとなったらそれで押し通す。JRの現在の体質そのものだろう。なおかつJRの事故の根本でもある。
という分析、だめか。