思いっきり生電話

みのもん□「はい、お待たせしました。ところで、相談者さん、あなたの悩みと同じような悩みを持った方がこの前番組におたよりくださいましたよ。何でも韓国の知人の方がいつも日本のことを悪くいうので、客でなければ話したくもなかったのだが、段々、色々と考えるようになって、という話なんですが、あなたのと似てませんか?」
相談者「ああ、何となく似てますね(笑)。」
みのも□た「こういう問題っていつも『謝罪』とか『贖罪』とかつきまといますしね。まあ、あなたも相手には逆らえないでしょうから口先だけで『済みません』とかいうしかないでしょうね」
相談者「そうなんですよ、まあぼくの口癖が『済みません』なんですけど(笑)」
みの□んた「砂沢チ□タさん、いかがですか。」
□沢チニタ「被害者、加害者の意識を超えなくては前へ進めない。そのことを抜き荷した贖罪なんてマスターベーションにすぎないんじゃない?」
濔廼麼ん鴕「うーむ、つまり友人関係ならば口先だけの謝罪はむしろ逆効果だと。まあこの人の場合はねぇ。お便りの方も客ですしね」
宮台真□「戦争を何かの事件や人物や派生的帰結で『代表』させて『だから戦争は良かった、悪かった』とカテゴライズするのはとにかく駄目です。『南京大虐殺』に代表させる。『インドネシアの独立』に代表させる。この判で押したようなワンパタンはもちろん『右』にも『左』にも見られるものです。私に言わせれば『だからどうなんだ?』で終わりです。いったいいつまで馬鹿を繰り返すつもりでしょうか。素朴な反省ザルでも居直りザルでもだめなのです。
身の門田「たしかに何を反省しているかわからない反省ザルも、とにかく反発すればいい、という居直りザルも困りますよね。」
宮□真司「こうしたふるまいの背景にはアメリカがあります。ドイツの戦後処理は国内の軋轢を権力的に押し切って、戦争犯罪人を時効を外してとことん追及しました。しかしこれは『そうしないと欧州社会で生き残れない』からです。日本の場合はアメリカが傘になりましたから、ドイツが生き残るためにコストをかけて選択せざるをえなかったふるまいを、選択しないですみました。ところが、ドイツはEUや経済ブロックの要となってアメリカに対抗できますが、日本にはアジア経済ブロックを作れる力はない。まったく信頼されないからです。
□のもんた「じゃあ、日本が下手で、ドイツがすばらしい、ということですか?」
□台真司「これはドイツが善で日本が悪といった情緒話ではなく、信頼の欠如を自ら回復する負担支払いを選ばざるをえなかった国と、信頼の欠如をアメリカへの信頼で埋め合わせる負担免除を選べた国の、異なる戦略のあいだの短期的利得・長期的利得のネジレの問題なのです」
み□もんた「つまり、短期的には日本が得だったけど、長期的に見れば、わからない、と。まあ、日本とアメリカとアジアの関係についてはね、ここでは置いといて、お頼り下さった方のことに引きつけて言えば、戦後の日本は反省ザルと居直りザルしかいなくて、結果お便り下さったHさんにも迷惑がかかっている、ということになりますかね」
宮台□司「素朴な反省ザルに謝られても、謝られた方は何をどういう理由で謝ってもらっているかわからず、安心できません」
□のもんた「だからね、とにかくね、相談者さん、あなたね、とにかく口先だけで謝るのではなくてね、こういっちゃったらどうですか。『それなら、ここで首つってやろうか』ってね。相手もびっくりするでしょう。で、相手がひるんだら、『おれは○○人である以前におれだ。○○人とカテゴライズするな』ってね。だからって、単純に居直ってはだめよ。『だから戦争は良かった』とかね。そんなこと言ったら、単に喧嘩売っているだけだからね。喧嘩上等!なんて珍走団じゃあるまいし。カッコつけてね、『○○の過去を贖罪したい』と言っても『それなら、ここで首つってみて』と言われちゃかっこわるいですからね。がんばってね。それじゃあね。ありがとね」(と無理やり終わらせる、ゴールデンパターン)
高橋佳代○「ありがとうございました。なおこの話はすべてフィクションであり、実在の人物・事件・出来事とはなんの関係もありません。パネラーの発言は一部捏造されています。捏造部分以外は本から引用です。一部改変してあります。なお大久保さんのはなしはある近代史研究者から聞いた話を脚色させていただいております。それではCMです」