シューカツ

テスト間際。学生が一人質問に来る。
「先生、ぼく、シューカツで講義に来れなかったんですけど、プリントありますか」
ごめん、おじさんシューカツってわからないんだ、と思ったけど、多分就職活動の略称だとうと思って対応する。
「プリントは事務室に置いてあるはずだからそこから取っていって」
「なかったんです」
「あ、そう、じゃ、ない」
こういう私って冷たいかな?私はシューカツをしたことがないのでその痛みがわからないんだ。ごめんね。「シューカツで忙しくて講義に出席できませんでした。単位で配慮をお願いします」とだけ書いている人には単位を上げたことはない。最低限の仕事はやれ。プリントを手に入れて内容を頭に叩き込む努力を惜しむな。そんなこともできない人が社会に出て活躍できると思うか。
ということを言ったら、就職活動をことごとく失敗した私の弟から叱られた。就職活動はしんどいものなのだそうだ。特に私の弟は八月までしっかり就職活動をやって揚げ句に全て不採用で、結局大学教師をやっているのだが、その点私に比べて就職活動に理解があるようだ。しかし私は落とす。誰か単位上げる優しい先生がいるだろう。