中学入試指導から見る今日の選挙

今日は選挙。結果は・・・。ガッシュ様のブログの感想と同じ。政治思想はかなり差があると思うが、こういう問題は不思議に一致する。私は郵貯はないので、そこだけが違うかな。
関係ないが、今日塾の同僚と出来の悪い生徒の話になった。その後、今の日本の貧富の差の話になった。今や一流大学に行こうとすれば一流中学に入らなければ苦しい。灘高校でも高校からの入学者は成績が段違いなのだそうで、今や大学受験の準備は小学生低学年から始まっているのだ。中学入試は金がかかる。塾は大したことはない。月五万程度余分に出せるか。問題は中学に行ってからだ。年間数十万円かかる。これでは金のない人は大学進学がかなり厳しい状態になるだろう。私が受験した時にはそんなことはなかった。それでもすでに萌芽はあった。私は現役予備校で受験テクニックをそれなりに叩き込んで受験に臨んでいる。今やそれではたりない。小学生の時から競争は始まっているのだ。
東京大学の入学生の親の年収が一番高い、という噂は、そういう受験事情を背景にしている。日本において貧富の差が拡大している、ということは数値にもはっきり現われているわけだが、その傾向はますます広がっていくだろう。同じ日本でも富裕層と貧困層はメンタリティは全く違う。そういうギャップを埋めるためにナショナリズムが動員される。イギリスのサッチャー政権が行なった政治がまさにそれだった。小さな政府を主張する人が、えてして外交において強硬な姿勢を主張するのは、当然の論理なのだ。小さな政府と言っても、防衛費は増強され続けるだろう。小さな政府と強い軍備、そしてナショナリズムは表裏一体なのだ。もっとも大きな政府と強い軍備、ナショナリズムも全く矛盾しないのだが。
教育関係者としては、近年階層分化というのを強く感じているので、その感想を述べたまでだ。今や中学受験をしているのは金持ちばかりだ。教えていてびっくりする位だ。塾長もびっくりしている。信じられない金持ちが多いのだ。さらにいやな話をすると、小学校区ではっきり成績差が出てくる。生まれた時から勝負が決まっているのだ。「努力した人が報われる」とはどういうことだろうな、と思ってしまう。その傾向がさらに強まるのではないかな、と感じた選挙結果であった。これが私の見当違いであることを願わずにはいられない。