勝谷誠彦氏の削除されたブログ

9月12日付けの勝谷氏のブログが削除されたそうで、どうせくだらないことを書いて削除されたんだろうな、とか思いながら氏のその文章を拝読する機会に恵まれて、結構まともなことを書いていたことを知った。実はあまり氏の論調は好きではないが、総選挙の結果に関する分析は気が合いそうだ。ただ氏は言葉が乱暴で、誤解を招いたり、人を不快な気分にさせたり、言葉を操るプロとしての自覚にかけていたりするのが原因でこの記事も削除されたのであろう。私が代わりにきちんとした文体で氏のいいたかったことを代弁して差し上げよう。

総選挙はご存じの結果となった。スタジオにはTBSの政治記者の方が来てくれたが、記者クラブの中にいる彼をして「これは文化大革命ですね」と言わしめた結果である。東北アジア中国共産党北朝鮮労働党、そして日本国の自民党という三大独裁政権が統治する、とても楽しい風景となった。番組の中でアメリカ事情に精通した小西克哉さんが「先の大統領選挙に似ている」と言ったのは至言だ。政策から言ってもイラク侵略をめぐる世界の世論から言っても、ケリーが勝つことは当たり前のようであった。しかし実際にブッシュを勝利に導いたのは、本来は民主党支持でありながら、ブッシュに票を入れた、今回ニューオリンズで甚大な被害を被った低所得層の人たちである。結果として世界はイラクの惨状をまた見続けることになった。今回の結果を政治記者たちは何と言っているか。「森首相池田大統領の時代が来た」だ。『バカとの闘い』から闘い続けてきた森喜朗がついに天下をとったそうだ。池田大作がその上に君臨しているそうだ。44年も生きていると楽しい時代に出会うものである。もちろんそれを選んだのは日本国民であるからして充分に愉しむがいい。投票行動を分析してみると、正に私(勝谷氏)が指摘したように20代30代の低所得者層が「小泉いこーぜ」とお出かけになったようだ。その勢いで日頃から働いていただきたいものだ。もっとも民主党は負けるなら、これくらいの負け方の方がよかった。昨日になって自らの逡巡をメールで送って来た方が多い。自民党を勝たせてはいけないとはわかっていても民主党を信用できないというのだ。こういう人は一生「まず買ってから自分にあうように直す」という買い物はできないのだろうな、と思いつつも、そういう印象を与え続けた民主党の罪は重い。一度とことん地獄を見れば少しは変わるのだろうか。「拉致問題をぜひ」という私(勝谷氏)の質問に対して小泉首相はいつものような紋切り型の答えしかしなかった。独裁自民党は逆に言えば強力な武器でもある。いつもの「道具論」になるが、だったら国民はこの強い武器を遣いこなすしかない。私(勝谷氏)はまず利権談合共産主義の内政を叩き直してから外交に打ってでるべきだと思っていたが、こうなると外からやるしかない。かかる信任を受けた強力な政権が毅然とした外交をできるかどうか。まずはそれを見ようではないか。

斜字の部分を直した。ここは明らかに不適切な表現であり、勝谷氏は管理者にどこがまずかったのか質問メールを出したそうであるが、どう考えてもここでそのまま引用するにははばかられる内容だったのだ。もし関心のある方はhttp://homepage2.nifty.com/katsuya-m/nikki_20050912_.htmlをみていただきたい。文体の違いがわかるはずだ。で、このように書けば、管理者にも迷惑を掛けなかったし、氏の主張がより多くの人にとどいたはずだ。
しかし私が書き直すと急に文章が面白くなくなったな。私が百パーセント自分の文章で分析するとさらに面白くなくなるんだろうな。難しいね。
追記
勝谷氏は読点を打たないな。というわけで読点を足してみました。読点は打ち方に個性が出るぶんだけ難しい。勝谷氏の文章は、読点がないため読みにくい感じがするが、同時に緊迫感を演出する効果がある。読点を打つと読みやすくなるのだが、勢いは殺された感じがする。そこをどう折り合いをつけるか、難しいところだ。だから読点がないことを以て批判するのはお門違いといえばお門違いだ。私も読点が少なくて、指導教授から叱られたことがある。私の場合緊迫感などいらないのであるから、勝谷氏の文章とは同列に論ずるわけには行かないが。