ポルトガル語

明日からポルトガル語の勉強を開始。江戸時代初期に日本に滞在していたイエズス会宣教師の手紙を翻訳するためのトレーニング。もうすでに翻訳は40年前に出ているのであるが、当時の学問状況と今日の学問状況が、当然のことであるが、かなり変動している。具体的に言えば、国民国家の枠組みにとらわれた議論だったのが、国民国家を相対化して議論するようになった点か。さらにもっと言えば、たとえば「松前の殿は日本人ですけれども、エゾの王でもあります」という翻訳、あれはおかしいのだ。「日本人」という枠組みが前近代から今まで同じ範疇を指している、という発想がこびりついている。原文を見る限り宣教師は「日本」という言葉を使用しており、「日本人」という言葉を使用していない。だから訳はこうなるべきなのだ。「松前の殿は日本の支配下にありますけれども、エゾの王でもあります」どうです?全然違うでしょ?こういうことをかつて論文に書いたことがあるのだが、それを全面的に翻訳し直したい、というのが、今の目論見。