世知辛いお話
受験直前の最後の追い込みの時期、受験関係者の皆様、いかがお過ごしでしょうか、なんて言っている場合ではない。私も受験関係者で追い込みなのだ。毎日朝早くから夜まで授業・授業・授業なのだ。
そのような時期、退塾する生徒が目に付く。今年の後期に入って4人。うち二人は塾の方針に合わなくて塾を替えた。今ごろ替えても遅いが。もっと早くに替えた方がよかっただろう。私のいる塾は塾長の個性が強いので合わないと悲惨なのだ。
問題は残る二人。こんな理由でやめるのは前代未聞だ。経済的理由。二人ともサラリーマンの家庭。入学後金がかかるのは始めから分かっていたこと。おそらく家計に急変が起きたのだ。これはつらい。生徒も泣いていた。ここまでの努力は何だったのか、という気持ちになったことだろう。あと一ヶ月を切ったところで受験中止。
景気はよくなっている、とか、株価があがっているのは外国の投資が増えていて、日本の実体経済が強くなっているからだ、とか言っている知識人がいたが、多分現実は見えていないのだろうな。生活実感として景気がいい、という感覚ありますか。私にないのは、まあ当然で、斜陽産業でその日暮らしをしている下層民はともかく、一般人はどうなのだろう。やはり景気はいいのだろうか。まあ斜陽産業にかかわっていると、景気は当然いいわけはないのだが。教育産業は完全に斜陽産業だからね。ああ、世知辛い。