想像力の欠如

塾で塾長が怒っている。私は耳をダンボにして聞いていたが、「仕返し」がどうの、とか言っていた。あとから聞いた話では、生徒の一人が他の生徒を階段から突き飛ばしたそうだ。突き飛ばされた生徒が見かけによらず(失礼)敏捷で、事無きを得たが、私みたいな鈍いヤツだったら、骨折して受験は無理だっただろう。受験の数日前に、何があったか知らないが、突き飛ばす、という想像力のない生徒が増えた。こういう想像力は塾でも学校でも形成できない。家庭の仕事だろう。
星野仙一シニアディレクターのサイトで考えさせられる事例が載っていた。マンションに越してきた夫婦が挨拶もしない、口も利かない。話を聞くと、こちらが越してきた時にマンションの住人が口をきいてくれなかった、だからこちらも口をきかないんだ、という話を紹介し、それについての星野氏のコメント。

隣近所がどうだとか、常識がどうだとか、今の人間の自己チューだとか、「怖い」と思うのはそういった部分ではない。この夫婦は30前後の人間なんだろうが、きちんとした銀行に勤めてもいるんだろうが、いい大人になっていてさえも、こういうなにげない日常の社会生活においても自分の振る舞いを省みるところはなく平気で人のせい、相手のせいにしてしまうというところがものすごく怖い。そう思わないだろうか。

しかしそう言った人物は多く見られる。人のせい。よその国のせい。何か言論らしいことを言えば他国の悪口。しかもそういうサイトが人気サイトになるこの国の現状を憂える。
成人式のニュースを聞いても何となく鬱になるな。しかしそれは自分のことを棚に上げた議論なので、保留。ただ日本の言説の質の低下については考えるところはある。ヒントはある小学校6年生の言葉「私の友達が(自粛)に書き込みしているんですよ。」