古牧温泉

今回二泊三日の日程で青森県古牧温泉に行ってきた。目当ては、温泉。しかし調べて見ると渋沢敬三ゆかりのホテルであるらしい。実業家としての渋沢敬三には興味はないが、日本常民文化研究所設立者としての渋沢敬三に関心があったので、いい機会にめぐまれた。
そこから網野善彦論に行けば、いかにも、なのだが、私が今回感じたのは、韓国人問題だ。
というのは、そこにいた客のかなりの数が韓国人だったのだ。まあ、現在の歓楽温泉街はどこも韓国人観光客が多くいる。私は毎年四月から七月は週一回別府にバイトに行くわけだが、韓国語を耳にする機会が多い。
そこで感じるのは、押しの強さ、声の大きさである。大阪のおばちゃんがかすむ。十年近く前に旅行をしていた時には、どこに行っても大阪のおばちゃんが幅を利かせていた。私は大阪のおばちゃんを間近に感じる機会が多いので、北海道の観光地で周囲みんなが大阪のおばちゃんでも全く気にならないが、非関西人は引くだろうな、とか思っていたが、周囲みんなが韓国のおばちゃんはさすがに少し引く。まして奥ゆかしい(自粛)県(この自粛の部分には適当な券を入れれば通用すると思う)の方々には刺激が強すぎるのだろう。こういうところに嫌×流がはやる原因もあったりして。異文化理解に耐えられず、嫌×流に逃避する人々を「虚弱だ」と嘲笑するのはたやすい。私自身もそういう人々を軽蔑してきた。しかし何となくわかるような気もするのがこわいな。だからといって嫌×流をもてはやす風潮を好ましいとは思わないが。日本の自信の喪失を見せつけられているようで嫌な気分だ。反中・嫌韓的サイトをじっくり味わえば、勇ましい言辞の裏にひそむ劣等感を見せつけられ、かなり落ち込む。
しかし、今、温泉街に吹き荒れる韓流パワーは、韓流パワーそのものの象徴なのかも知れない。そしてハングルの前にかすむ大阪弁は日本の没落の象徴なのかも知れない。それが嫌×流を支える一つのエネルギーなのかな、と思った三日間であった。