公民分野

公民分野は出題率が低く、以前にも述べた通り地理4:歴史4:公民2の割合、と言われる。だからと言って放置していいわけではない。苦手な人は苦手なので、ここで点数を稼げれば有利になる。
公民分野が苦手な人が多いのは、学校でろくに習わないからだろう。6年生で歴史と公民をやる。歴史に重点が行くと公民は取り残される。私が小学校の時に学んでいた日共の先生は公民と歴史を二本立てで教えていたような気がする。これは公民を積み残ししないうまい方法だ。公民をしっかり教えたかったのだろう。
公民分野を大きく分けると四つ。憲法・政治・経済・国際問題。つまり法学・政治学・経済学・国際関係学となる。以下ポイントを略述していきたい。
憲法
憲法第9条と第25条は最低限覚えること。特に最近は憲法改正論議が盛んなので、出題率は増加の傾向にある。もちろん自分の志望する学校の思想的偏向はチェックすること。単に偏差値が高いから、という理由で自分の政治的指向と異なる学校を選んで、いやな思いをしたとしても自己責任だ。
注意するべきは、近年憲法についてかみ砕いて収載している参考書が多いが、断言する。役に立たない。憲法そのものの細かいニュアンスが大事なのだ。たとえば「永久」か「永遠」か、ということを問う問題が出題される。そこで差別化をはかるわけだ。
政治
三権分立解散総選挙から特別国会にいたる道筋。ポイントはそこにつきる。特に三権分立の相関図を書けるようになれば、ほぼ他の問題も片づくだろう。
経済
インフレとかデフレも少しは出るが、一番ネックになるのはおそらく為替の問題。円高円安の問題が理解できない生徒が多い。いったん理解すれば簡単なのだが。それだけにここをそれだけ彼らの実体験に則して教えられるか。何しろ金を金で買う、ということが理解できないのだ。あとは税金の問題と財政の問題。税金は分類を押さえる。直接税と間接税とか。財政はグラフを見て戦前の日本と戦後の日本を見分けられればOK。
国際問題
憲法と並んで出題される可能性の高い分野。国際的な環境問題は理科でも習うので、しっかり押さえておきたい。もう一つは核軍縮のテーマ。NPT、PTBT、CTBTとか略語が多いので押さえる。
国際問題で一番比重が大きいのが国連の問題。生徒にとって難関は経済社会理事会のもとにある専門機関。WTO、WHO、ILO、UNESCOなど。総会設置の期間だがUNICEFも押さえるのは当然。