米長邦雄論

いろいろ調べて書き始めたが、調べると泥沼にはまりそうだ。
私は高校時代だった80年代前半、米長邦雄九段のファンだった。落ち行く太陽中原誠、若き俊英谷川浩司、不沈艦大山康晴に伍してヒールのにおいをぷんぷんとさせ、中原にも大山にも谷川にも一歩譲る観のある米長邦雄が好きだったのだ。私自身は大変な優等生(勉強面を除く、しかもあくまでも自称)だったので、無頼漢のイメージのある米長が好きだったのだ。母親は米長が嫌いだったようだ。父親は昔は好きだったがやがて嫌いになったようだ。弟も父親と同じかな。弟は大山康晴と森安秀光が好きだった。
私は将棋自体は振り飛車しか指さなかった。相手が振り飛車ならば相振り飛車だった。私こそ森安九段に学ぶべきだったかもしれない。しかし「いい人」っぽい森安九段は今一つテイストではなかった。やはり素行不良の、今風に言えばちょいワルおやじ(というか激ワルおやじ)の米長が好きだったのだ。
最近『週刊現代』でバッシングされている米長邦雄将棋連盟会長だが、彼の素行は米長ファンならば「ああ、やりそうだな」という体のものばかりである。特に違和感を感じない。以外にこせこせしているな、という印象はあるが。
しかしそれは米長九段が一棋士であれば問題にはならなかっただろうが、教育委員で将棋連盟会長ともなると、そういう過去の「悪行」は一気に致命傷になる。
それでは多分当たらない予想。私の予想は天気予報以外はあたらない。
名人戦問題。二ヶ月後何かあるでしょう。米長氏がそういっているそうだから。朝日への移管問題は、とりあえず毎日との交渉を先にする、という方向で決着がついた。おそらく無理難題をふっかけて毎日を怒らせて朝日への移管を成功させるか、毎日との交渉を担当した中原副会長に全責任を負わせてたたきつぶすか。どちらにころんでも米長会長は傷つかない。
教育委員会問題。石原慎太郎都知事は米長教育委員を切らない。これだけスキャンダルが出てくれば、意を含めて辞任させる、あるいは任期切れで再任しない、というのが普通だし、現に石原知事は困っていると思う。日の丸・君が代の強制に反対するときには絶好の標的だ。米長委員の続投を願っているのは反君が代反日の丸強制の人々だろう。私も米長ファンとして心から続投を願っている。
それでも石原都知事は、しかし米長氏の執念深さを知っているだろう。怪文書をばらまかれたり、無言電話をかけられたり、マスコミにあることないこと垂れ込まれては困るのだ。だから石原都知事は米長委員を三期目も続投させるだろう。