2006年のパワーユーザー

『快適POWERBOOK生活』に立野康一氏によるパワーユーザー論がある。氏の驥尾に付して、2006年のパワーユーザー論を、文系的な立場で考えてみよう。
私がMacを使うのは基本的に原稿執筆とレジュメ作成である。実は塾関係では全くパソコンを使うことはない。プリントを作成するのは我々講師ではなく、事務職員の仕事である。めちゃくちゃ古いDTPマシンが置いてある。あれをMacに換えたい、という欲望を持っているが、我が塾で一番コンピュータに詳しい人はドザーなので、多分最終的にはドザーになるだろう。というより今の塾でマカーなのは私だけだ。
大学講師としてはレジュメ作成と原稿執筆。しかし原稿なんて私みたいなぺーぺーで、しかも塾の合間に研究活動をやっている人間は一年に一本執筆できれば上出来だ。だから以外と活躍しない。
ちなみに私が今まで執筆した公刊論文(研究ノート含む、書評や史料紹介、新刊紹介は含まず。なぜならまともなものは書いていないから)は、以下の通り。
1990年研究ノート(手書き)。1991年研究ノート(手書き)。1993年論文(PowerBook100)。1994年研究ノート(PowerBookDuo210)。1995年論文2本(PowerBookDuo210)。2002年論文2本(Libretto20、iBook)。2003年論文(iBook)。2004年論文(iBook)。2005年論文(iBook)。ちなみに93年から2003年までの論文はいずれも印刷にはQuadra700を使用している。原稿執筆やレジュメ作成にはカラーはあまり必要ない。だからPowerBookで十分だったのだ。ただハードディスクが小さかったので、フォントを格納する場所がなかったから、プリントサーバとしてデスクトップが必要だった。だから93年の論文の最初の印刷はClassicだ。第一稿の提出から最終稿まで結構時間がかかったりしたので、結局パソコンが代替わりしたのは笑えない。2002年も締め切りが早いものから片づけたので、9月に提出した論文はLibretto20で執筆し、出力はQuadra700だが、10月締め切りの原稿は原案はLibretto20で仕上げはiBookである。ちなみに2006年は論文執筆の予定がないので、MacBook Proはもっぱらレジュメ作成だ。まあ原稿の原案をつくり始めてはいるが。あと2003年の論文は提出が2002年11月で、出版されたのが2003年1月だった、と思う。これは数年前から準備していた原稿だったので、いろいろなパソコンの手を経ている。歴史学研究者の時間はわりとゆっくり流れるので、下手をすると、全く貢献していないマシンも存在することになりかねない。今のところ全てのマシンが一応公刊論文に携われていることに安心した。最初のワープロ専用機書院は修士論文に活躍したから、以て瞑すべし。
原稿執筆に使われるべき究極のMacを考えていこう。私の場合、圧倒的にPowerBookiBookMacBook Pro)が多いことが分かる。デスクトップもClassicやQuadra700やPowerMacintosh7200/90も持っていたのだが、結局持ち歩けるPowerBookになってしまっているのだ。さらに原稿執筆に特化した場合、カラーも実は要らないから、PowerBookで十分なのだ。PowerBookがメインで、サブにQuadra700という実にぜいたくな使い方をしていた、と言える。それこそDuoとDuoDockに大容量のハードディスクとモニタを付ければよかったのだ。ただ私がQuadra700を購入した時にはまだDuoは高価だった。多分DuoだけでQuadra700が買えたのではなかったか。その直後暴落したが。
ちなみにLibrettoはどうだったか、と言えば、意外と使える。パワー不足は気にならない。Quadra700と遜色ないからである。ただキーボードの打ちにくさと画面の小ささが我慢できなくなってきた。やはりある程度の面積は必要で、さらに軽く、薄くなるのがパワーユーザーの求めるところなのは1993年も2006年もかわらない。