博多旅行

某月某日博多に行った。もちろん仕事で大分に行く途中なのだが、今週は塾の方が休みだったのだ。空いた時間を利用して博多見物に行くことにした。
昼食。博多駅前でとることにしたので、当然博多ラーメン。駅前の地下街に行って最初に目に付いたラーメン屋にしようと決める。とりあえず入ると『クッキングパパ』に出てきたラーメン屋。『クッキングパパ』フリークとしてはうれしい。久しぶりに博多に出てきた友人の白川を荒岩一味がもてなすシーン。白川が「ラーメンが飯なんてしけてるな」とぼやく。出てきたラーメンをすすって白川が一言「うめえな」。
クッキングパパがらみで愛用しているのが小倉駅ホーム上の「プラットビット」。そこのかしわうどんは、田中一が金丸産業の社長にかしわうどんをおごるシーンで使われている。
かしわうどんも好きなのだ。基本的にうえやまとち氏の味に関するセンスは私好みなので、うえやま氏推薦とあらば、と期待が高鳴る。期待通りの濃い味付け。豚の骨か脳髄かわからないが、えぐい味付け。大変いい。あの独特の豚くささがくせになる。問題は油がたっぷり。味付け的には油だらり、というのは好きなのだが、体にもたっぷり油が含まれているので控えたいところだ。スープを残せばいいのだが、好みの味のスープを残すほど精神力は強くないのだ。
今日の博多巡りのテーマは「元寇」。モンゴル戦争ではなく「元寇」。「元寇」という用語で表象される歴史意識がテーマ。
吉塚駅から東公園に向かう。いきなり巨大な日蓮像。そのたもとに「元寇資料館」は建っている。中に入ると、いきなり張り紙が・・・。開館日が土日祝日のみとなった、という。さすがに見に来る人はいないのだろうな。あやしげな武具と元寇絡みの博多人形と、あとは矢田一嘯の絵のコピー。今ならばもっと気の利いた展示ができるはずだ。あそこまでプロパガンダ丸出しだと、さすがにドン引きするのが関の山だろう。しかし今日の私はそうではない。プロパガンダを見に来たのだ。「モンゴル戦争」の遺跡を見に来たのではない。近代日本が作り出した「元寇」を見に来たのだ。
展示物に福岡県立美術館の図録がある。これは福岡県立美術館に行かなければ、というわけで館を出る。帰りがけに図録を買う。以前に来た時には辟易して買わなかった代物だ。今回は買う。しかし求めて中身を読んで、意外なことにしっかりとした考証が為されていた。偏見はいかん。
福岡県立美術館。図録だけかってとっとと退散。暑い。あとはバスに乗って大分に向かうだけ。
東公園に建つ亀山上皇像と日蓮像に関する考察はまた明日。この図録類を検証するといろいろ出てきそうな宝の山だ。