著作権

まあ私みたいに著作権無視の業界にいるものが著作権について物申すのはおかしいのだが、それでも一言。私とは関係のない話なので。専門学校の講師をかねている同僚がいる。その同僚のもう一つのバイト先の専門学校ではイーラーニングを進めている。その時、イーラーニングの教材を作らせたのだが、その著作権をめぐってもめたのだそうだ。結局著作権はつくった非常勤にある、ということで決着がついたそうなのだが、それはその専門学校の現場が協力的だったからだそうで、そこの上層部の中には、非常勤につくらせた教材を非常勤を首にした後にその教材を使い倒して教材費を浮かせようと考えていた人がいたみたいで、さすがにそれを行わせるのは専門学校としてはやらせなかったようだ。
このケースの場合、せこいのは上層部の一部で、専門学校の総意としては、非常勤がつくった教材の権利はその非常勤に属する、というまっとうな考えでいたわけだが、とあるネオリベ改革を強力に進める大学では、常勤講師がつくったコースパックの教材を、常勤講師を雇い止め、つまり首にした後に、引き続きコースパックを使おうとしたが、法務の弁護士から無理だと言われたようだ。大学がそういうせこいことをやってはいけない。
そこで大学側は上級講師らに教科書作成を呼びかけているそうだ。もちろんテキストの著作権は大学が持つのだという。しかし3年後にはそこの大学にはいないことが確実な情勢なのに、それに協力する教員が多くいるとは思われないが。まあ協力すれば確実にそこの専任に慣れるのであれば、協力もする気にはなる。しかしそこの大学って、開学時に「定年までいてください」と言ったのに、4年後、その約束をほごにしたが。ちなみに地裁で仮処分命令が出されたが、大学側はそれを拒否、本訴に持ち込んだようだ。金がある大学側が有利になる。金のない非正規雇用者には厳しい情勢だ。
こういう問題というのは大学だけではなく、どこでも当然ある、というよりも、大学はまだめぐまれているほうなのだろうな、と思う。今日の新聞では偽装請負の記事があったが、その中でキヤノンのコメントが目を引いた。「モノづくりを優先するあまり、偽装請負が残ってしまった」とさ。モノづくりや効率を優先するあまり、人づくりを怠っていないだろうか。人づくりを怠ることのツケは大きいのではないか、と思うのだが。