冷房2

冷房問題について。
温度管理は難しい。同じ温度でも「暑い」という生徒もいれば「寒い」という生徒もいる。体質もあれば、場所にもよる。そこでどうしても「最大多数の最大幸福」を採用することになる。実際それが民主主義として正しいのかどうか、というのは議論になってはいる。しかしとりあえず「最大多数の最大幸福」ということで、多数決で空調の状態を決める。
それに不満な生徒は常にいる。「私はめちゃくちゃ寒い」と言い募って、冷房を止めようとする。しかし大多数は「暑い」という意思表示をしているわけだ。しかしその生徒は自分の個別事情を訴える。残念ながら当方としては、クラスの大多数の「暑い」という意見を葬って一人の「めちゃくちゃ寒い」という意見を採用するわけには行かない。それは端的に言ってえこひいきだ。
これが一部の親には不評なのだ。そういう生徒の親は自分の子どもの要求がむげに退けられたことに激怒し、塾にねじ込んでくる。手紙有り、電話有り。
生徒によっては、授業が終わると冷房のスイッチに駆け寄って無理やり冷房を切る。他の生徒が入れる。その応酬で冷房故障という事故も起きた。
私は「冷房効きすぎ」と指摘することが、キレやすい忍耐力のない子どもを育てることだ、と言ったつもりはなく、何でも塾にねじ込む姿勢を、忍耐力のない子どもを育てていることと関係があるのかも、という話だったのだが、冷房の話が最初に出てきたので、少し分かりづらい話になっていたかも知れない。そこで少し補足しておいた。
もちろん塾に対して言うべきことは言っていただくのは必要なことで、全てが悪い、というわけではない。クレームは塾にとっても必要なもので、むしろクレームゼロの方がこわいのも事実だ。ただ、そんなことをねじ込むな、ということが増えているのも事実。
「風邪を引いた」というのは、基本的に保護者の責任だと思う。繰り返すが万人が寒いという環境でやっているのではない。寒い特段の事情が有るのであれば、羽織るものを一枚持ってくればいいだけの話だ。大半の生徒は体温調節できるように用意している。「寒い」と訴える生徒に限ってそういう用意をしていない。それで風邪を引いたとして、こちらの責任にされるのは困るわけだ。
ただクレームはクレームなので、現在我が塾は冷房を弱くしたエコロジー塾となっている。暑いことに関するクレームは確かにないようだ。これでクレームは減って、光熱費もダウンして、地球環境にも優しければ、それはそれでいいのかな。