野球の楽しみ方

私が甲子園に行くようになったのは割と最近のことである。新庄剛志外野手の阪神最終年だったから、2000年である。私はどちらかといえば乗りが悪いほうで、みんなで騒ぐのは性に合わない。だから応援の時にもほとんど黙っている。
今でこそそんな楽しみ方も許されるが、昔はそうではなかった、という話を仄聞した。
進め方は今でも変わらないと思うのだが、試合前には球団の旗が掲揚される。と同時に球団歌、つまり六甲颪が斉唱される。この時に起立しないと変な目で見られたそうだ。いわく「常識がない」「雰囲気を壊す」「阪神ファンとしてはいかがなものか」「甲子園から出て行け」等々。今はもちろんそんなことはない。応援団も自己改革を重ねたのだろう。今でもそういう雰囲気の人々もいるだろうが、今は多様性を認めるようになっている。
昔のような雰囲気であれば私は行こうとは思わなかったし、そのような場に対して好意を持つこともないだろう。古いアンチタイガースの人は、タイガースファンの排他的な姿勢を批判する。それは昔の頭の固いファンだけだ。今は多様性を認めるので、その辺は大きく進歩したな、と思う。