安物買いの

とはよく言うが、熱帯魚も案外そうなのではないか、と思ったりもする。安価な魚は丈夫で美しく、とはよく言われるが、必ずしも安価=初心者向きではない。有名なのはコリドラスパンダだ。安価なブリード物は水に慣れるまでが難しいらしい。「らしい」というのは、私は飼ったことがないのでわからない。ただ今回ベタを飼ってみて思ったことである。
私が今回買ったのはプラガット(プラカットとも)と呼ばれる、闘争能力に改良の力点が置かれたタイプである。しかし高い。6000円を超えている。ベタは200円位でも結構手に入るから、30倍!
しかしプラガットやショーベタなどと普通のベタを比べると大きさが違う。普通のベタの方がかなり大きい。つまり老成魚なのである。ベタは見た目が派手なものが売れる。だからある程度体の大きい見栄えのするものを多く売る。当然短命である。私が買ったプラガットは普通のベタよりも一回り以上小さい。聞けば二年は生きるようで、6000円も出して数ヶ月で死なれては困る。
加うるにプラガットは他のタイプのベタに比べて飼いやすい。水質の悪化にも他のベタよりも強いらしい。他のベタも十分強いのだが。大きなひれが水質の変化に対して負担となるようで、ひれが小さいプラガットはその点は有利だ。だからベタ初心者はホムセンで売っている安いベタではなく、プラガットをお勧めする。
そもそも6000円もするような魚であれば、ショップでの扱いも違う。もちろん卸でも、現地でも下にも置かぬ扱いであろう。一方安い魚は当然それなりの扱いでしかない。疲弊している魚もあるだろうし、その結果買ってきてもすぐに★になることがある。
何千円、と決めるのは難しいが、ある程度高い魚を買うことは、初心者にもお勧めである。しかし気をつけなければいけないのは、管理が難しいので高価、という魚種には手を出さないことだ。頑健なのだが希少価値があるとかで、高価な魚を買えば問題は起こらない。私の経験では今回のプラガットはそれを狙っているが、確かに他のショップで見るベタとは色つやが違う。
それとベタを飼って思ったが、ものすごく人懐っこい。これは面白いはまる。