レイアウトセクション作成記

地方鉄道を開業することに決めて、しかしレイアウトは厳しい、となれば、レイアウトセクションだ。
まずは駅だろう、ということだが、あまりスペースがない。こういう時にトミーテック鉄道コレクションは便利だ。単行で走らせることが出来る。従って大掛かりな設備は要らない。そして何よりも鉄道コレクションがありがたいのはフリーの車両があることだ。わが家には3両のフリーがあるのでそれを動力化して開業に備えることにした。
モハ103。原形は南武鉄道モハ100。色がベージュと茶色の塗り分け。我が鉄道のカラーにしよう。昭和初期の製造になるので、開業以来の車両ということにする。次いでモハ1032。1947年日本自動車製の12m級電車。戦後運輸省から資材割当を受けて造られた車両という設定。最後にモ2001。1953年の日本車両製。近代的な外観。しかし下回りは昔のタイプなので、車体を更新した、という設定。台車がモハ103とは変えてしまったので、開業時に走っていたモハ1型の車体更新車という設定か。
駅作りに取りかかる前に設定すべきことがいくつかある。
1 駅が所属する線路・地域を設定する。
その駅が、どの時代に・どういう線の、どの地域に設定されるのか。
2 駅の概要を設定する。
どんな列車が通るのか、貨物扱いはどうか、折り返しはあるか、運転関連区所はあるのか、などの駅の特性。
私の場合特殊事情がある。石油溶剤系のものに対するアレルギーがあるのだ。石油溶剤系で激しい頭痛に見舞われる。給油しているガソリンスタンドの前を通るだけで激しい頭痛がする。もちろん香水とか整髪料は原則アウト。ということは、接着剤や塗料は基本的にアウト。昔はそんなこともなく、プラモデルをがんがん組み立てていたし、塗料も塗っていたのだが。
トミーテックの街並みコレクションはその点ありがたい。組立に基本的に接着剤はいらないし、色もぬられているので、ウェザリングやエイジングも必要ない。コンセプトは情景コレクションでレイアウトセクションを作る、ということに決めた。
必然的に駅が所属する線路、地域は決まってくる。時代は1960年代。高度経済成長まっただ中。自動車も普及し始めているが、まだまだ鉄道は陸の王者だった時代だ。鉄ヲタにとって特殊な時代なのだ。地域はあくまでも地方鉄道という雰囲気の小型電車なので、電化区間の非積雪地域となる。まあ北海道にも同種の電車は旭川電気軌道とか定山渓鉄道があり、東北、北陸にも多くの私鉄が走っていたので、一概に鉄コレを使うと非積雪地域になるとは限らないのだが。情景コレクションを使うので、駅の規模も決まってくる。街並みコレクションは第4弾リニューアルを使うことにした。これを十二個セットで大人買い。6種類のものがノーマルと色違いのワンセットずつ。適当に好みによって使う。駅舎とホームはノーマル。しかし駅舎は「白石湖」なのにホームは「西工」。色違いに「白石湖」があったので、それを使おうとしたが、ホームの屋根の脚を折ってしまった。取り付けるための穴と脚の太さが今一つ合っていないためだ。まあ私が手を抜いたのが悪い。カッターナイフで少しえぐっておくべきだったのだ。
街並みコレクションを組み立てようとすると瞬間接着剤は必須。あとはカッターナイフとピンセットはないと何かと苦しい。私はアレルギーを自覚する以前はプラキットと作っていたので、一応プラモ用の工具を持っているのでよかったが、工具を持っていない人が作ると苦労するだろう。あったほうがいいものとしては、ピンセットとカッターナイフは必須。マイナスドライバーも何かと便利。瞬間接着剤と両面テープがあった方がいいかも。
日通事務所、タクシー営業所、交番、バス営業所がそろった。
そこから規模も必然的に決まってくる。日通の事務所がある、ということで、事務所前の荷役場所を駅に隣接させると、貨物ホームとなるのではないか、ということで、電車に一・二両程度の貨車を牽引させる形での貨物輸送あり。貨物ホームを一面一線。旅客ホームは街並みコレクションのホームは島式一面二線。駅舎が事務所もついているので、単行の電車が走る鉄道としては大規模な駅に属する。終着駅か国鉄との接続駅か支線の分岐がある駅か、いずれにせよターミナルということになる。貨物を扱うということで、必然的に1067mm軌間となる。つまり国鉄から貨車を乗り入れさせる必要があるからだ。ということはこれは国鉄との接続駅ではない。終着駅ということになるだろう。そこに日通の事務所がある、ということは、そこそこの人口があるということになる。どうやらこの鉄道は国鉄のルートから外れた街が国鉄と結ぶために建設したものとなる。地方鉄道の一典型である。
鉄久バスの営業所が目の前にあり、1970年代半ばにはバスに置き換えられ、現存しない鉄道になるのではないだろうか。どう考えてもバスに負けそう。