各球団の姿勢

スポーツ報知より

巨人・清武英利球団代表「パを中心に、完全ウエーバーとの意見が強かった。巨人は希望枠に固執しているわけではないが、どこかに選手の自由を認めないと海外流出が増える」

 阪神・野崎勝義球団取締役「希望枠を無条件で廃止すべきという案と、廃止だけでなくFAとかと連動すべきという案の折り合いがつかなかった。すっきり結論が出なかったのは残念」

 中日・伊藤一正球団代表「今年から希望枠廃止とならなかったことで、アマから反感が来ると思う。それを懸念している。根来コミッショナー代行から時間をかけて、きちんとしたドラフト制度をつくるべきだという発言があった」

 ヤクルト・倉島今朝徳球団専務「ヤクルトとしては今年から希望枠を廃止するべきだとの意見を出した。ただ希望枠は悪の温床だと報じられているが、そうは思わないという議論があって時間がかかった」

 広島・鈴木清明球団本部長「広島としては希望枠を除く(撤廃する)意向だったが、ほかの事を絡ませると賛成できる、できないもある。希望枠は取っ払った方が良いかなと思うが、完全ウエーバーが良いとも思わない」

 横浜・山中正竹球団専務「横浜としては希望枠の撤廃を今年から実施すべきだと強く主張した。個人的にはファンの声、選手会の声は十分理解できる。ただ、希望枠の存在が百パーセント不正につながるとは決して思わない」

 日本ハム・島田利正チーム統轄本部長「今年から希望枠を撤廃して暫定案を行い、来年正式な制度を考えましょう、という阪神の案に賛成。1巡目か2巡目までは抽選で(実施を)一本化する案」

 ソフトバンク・角田雅司球団代表「希望枠撤廃は合意した。FAではいろんな意見が出たが、まとまっていない。うちは公平性と機会均等のため、完全な抽選制度が希望。全部(の順位)で」

 オリックス・機谷俊夫球団代表「今年からの希望枠撤廃を主張した。大多数が今年からだった。事件の理由の一つが希望枠なので、撤廃すべきだ」

 楽天井上智治オーナー代行「小異は捨て、とりあえず希望枠を廃止しようという意見が多かったが、1球団だけ反対された。駆け引きの要素が強かった。ことしについては希望枠廃止を優先するべきだ」

 西武・太田秀和オーナー代行「私どもの不祥事により、制度の見直しが行われたことを重く受け止めています。決められたことには従わせていただきます」

 根来泰周プロ野球コミッショナー代行「新しく制度をつくるときには十分研究してやらないといけない。勢いで流されてはいけない。ほかの制度とも整合性を持たせてやっていかないといけない」

希望枠に固執しない、と言いながら、事実上希望枠を残そうとしているのは巨人とコミッショナー代行であることがわかる。とりあえず希望枠をなくそう、という当たり前のことが出来ないのはコミッショナー代行の責任だろう。巨人が自分の利害を優先することはある意味当然だからだ。コミッショナー代行がここで決断しなければならないのは当然である。各球団が希望枠を使わないように希望する、などという姑息な責任逃れをする前に、自分の「権限」で希望枠を残す策略をせず、希望枠を撤廃するという、コミッショナー代行としての見せ場を演出してはどうか。アマチュア野球側の怒りを受け止めるべきだろう。コミッショナー代行はアマチュア野球への配慮のかけらもないのか。