週刊新潮の記事

朝日新聞の記事に「自民党総裁選、飛び交う怪情報」というのがあった。そこでは麻生氏が「これから短期間で決着をして民主党と戦うという時に、この種の話というのはちょっと次元がいかがなものか」と語り、伊吹文明氏が「某週刊誌によると『宮廷革命』のようなことをやったとか、その人こそ犯人なんだとか。総裁選の中でつまらない、口にしてはならないようなことを言い合っている」と発言している。
何が起こっているのか、といえば、麻生クーデターの話に対し、麻生氏陣営は「新五人組の暗闘」と報じた週刊誌のコピーを持ち回る議員も、ということで、「新五人組」に関して、『週刊新潮』に次のような記事が。

「5人組にやられた」麻生派議員の1人はそう吐き捨てた。いくつかのミスがあったとはいえ、次期総理最有力と言われた麻生氏の陣営が敗れ去るには強大な敵の存在があった。7年前、あの森政権を誕生させた5人組に代わる「新5人組」である。
突然、安倍辞任のテロップが流れたのは9月12日午後1時前のことだ。その直後、福田氏は唯一の側近とも言える衛藤征士朗元防衛長官と共にいた。自民党関係者によると、「前回の総裁選でも福田擁立を推し進めた衛藤さんが"今度こそ覚悟はできてますね"と出馬を促していた。対する福田さんの言葉は"覚悟はある"。それを聞いた衛藤さんが福田さんと親しい議員に声をかけたのです」議員会館の福田氏の部屋に集まったのは同じ町村派宮路和明議員ら数人だった。「やりましょう」「やろう」これが午後2時過ぎのこと。安倍総理の会見の模様を流すテレビの横で、すでに"福田出馬"は決定していたのだ。参加した議員がいう。「我々も早急にその後の対応を協議し、夜にはホテルの1室に同じメンバーで集まって深夜まで戦術を練りました。"この難局でも国を背負う覚悟がある"と、福田さんの出馬の意思は固かったですよ」
同じ日の午後、ある人物が動き出していた。自民党関係者がいう。「京都にいた野中広務元幹事長が上京してきました。そして古賀誠氏のメッセンジャーとなって、"出馬すれば古賀派はあなたを支援する"と福田さんに伝えたのです」そして翌13日夜−。ある派閥幹部が明かす。「福田さんは都内で青木、森、中川秀直、野中の4氏と密会しました。この場で福田さんの決意表明と、残り4人がどこまでも福田氏を支えていくという確認がなされたのです。"新5人組"の結成ですよ。そして、翌14日には8派閥が福田支持を表明することになったのです」

福田康夫氏が総裁選に立候補を決意したのは、参院選後に浮上した福田暫定政権の絡みで、今回こそ暫定政権を作る必要を感じたからだろう、と思う。情勢は自民党による本格政権樹立は無理である。今政権を担当するのは完全に貧乏くじでしかない。高齢の福田氏にとってとりあえず総理になれれば本望であり、短期間で政権を投げ出してもいい、という気持ちがもともとはあったのだろう。しかし麻生氏に対する反発を強める新YKKは福田氏を反麻生の手駒として使おうと思ったのであろう。谷垣・古賀・山崎3氏は福田氏を訪ね、「地方の再生」「生活の重視」「アジア外交の重視」という基本方針を示し、福田氏が「ほとんど同意できる」と同意した、という話だが、その裏に麻生氏と仲の悪い野中広務氏が動いていたようだ。12日に早くも野中氏が古賀氏のメッセンジャーとなって福田氏に立候補を促していたようで、結局福田・森・中川という清和会の重鎮が麻生と不仲の野中を通じて古賀と結びつきき、反麻生包囲網を結成した、ということか。
追記
野中広務氏が口を開いた(「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070921-00000192-jij-pol」)。

野中広務自民党幹事長は21日のTBS番組の収録で、麻生太郎幹事長が自民党総裁選に立候補したことについて「(安倍晋三首相の辞意を)知りながら3日間も隠し、自分が首相になろうとクーデターみたいなことを考えるのは政治家として絶対に許せない」と批判した。
 また、野中氏は麻生氏に関し「平等社会なんて言っているが、3段ぐらい上から下を見下ろすような、言葉に責任を持てない男だ」と酷評。「幹事長として(首相退陣の)責任を感じてもらわなければならない」と述べた。
 一方、野中氏は、自身が所属していた津島派の現状に関しても「自分だけがプリンスだと思っている額賀福志郎財務相が立候補し(ようとしたが)、恐らく足元で20人(の推薦人)も集まらないから、誰かに顔を立ててもらって名誉ある撤退をしたんだろう」と語った。 

趣旨は「参院の尊師」こと村上正邦参院会長(しかしすごいあだなだな。多分に揶揄や悪意が入っていると思う)の麻生批判と同じ。自分が首相になろうという意識が強すぎることをバッシングしているのだろう。村上氏は比較的麻生氏と親しいだけに忠告という意味合いもあるだろうが、野中氏の場合は憎悪が先に出ている(「野中広務 - Wikipedia」)。