日韓戦オーダー変更

韓国マスコミの反応も一応見てみた(例えば「http://www.chosunonline.com/article/20071203000055」)が、あれを見ても思うのは、少なくとも「朝鮮日報」は甘すぎないか?ということだ。大事な国際戦、特に「宿命のライバル」と言われる日韓戦だから、どうぢても勝ちたい気持ちは分かる。しかしオーダー変更はアンフェアとか卑怯以前の問題である。今回ばかりは嫌韓的言辞は甘い、とさえ思う。卑怯とかアンフェアとかそういうレベルではない。レベルが低いという問題でもない。卑怯であれ、アンフェアであれ、ルールから逸脱していないのは事実だし、またレベルが低いのはこの後の努力如何では追いつき、追い越す可能性も秘めているからだ。そのような甘いレベルではない。そもそも韓国は日本に追いつこうと言う気すらないのではないか、という気がするのだ。日本を追い越そうとする、あるいは最低限日本に追いつこうと言う気持ちが見られない。まああえて弁護すれば、何としても日本に対して目先の一勝にこだわったのだろうが、結局それでは韓国自身が日本に対して自分を一段下に見ていることの表明でしかない。それが韓国代表の自己認識であれば、それはそれで仕方がない、実際ディフェンスや走塁などのフォーメーションプレーにおいて日本野球は一日の長がある(この点については朝鮮日報でも書かれている「http://www.chosunonline.com/article/20071204000025」)。韓国野球はパワー重視のようだが、それでは国際レベルには達しない。パワーは日本よりもあるだろうが、所詮大リーガーの相手ではない。
先発オーダー変更については韓国でも一定の批判が出ているようだ(http://www.chosunonline.com/article/20071205000024)。キム・ヨンジュン記者の「得たのは自信、失ったのはマナー」という記事。

まずは何よりも日本戦での偽装オーダー問題。日本が勝ったため単なるハプニングとして片付けることができたが、もし日本が負けていたら、韓日野球の友好関係を破壊する大問題に発展していた。韓国側は「ルール上の行為」と主張するが、「アマチュア野球の慣例を無視した非紳士行為」との日本側の批判に、これといって反論が見つからない。「マナーのないチーム」というレッテルを貼られてもおかしくない行為だった。良い試合をしたにもかかわらず、後味の悪さを残した。

韓国代表は謙虚にこの批判に耳を傾けるべきだろう。
内角球に当たりに来る行為については、星野仙一日本代表監督は「勇気は買いましょう」とコメントしていたが、確かに勇気は必要だ。ソフトボール経験のあるヨメによると「反射的によけてしまう」そうだから。恐怖心を克服してぶつかる根性はすごい、と言いたいところだが、内角が打てなくなった選手が最後の手段で当たりに来ることがあり、韓国代表チームの各選手が内角をさばけないことを表白しているようなものである。岩瀬仁紀投手ー矢野輝弘捕手のバッテリーが8回の最後の打者にストレート勝負を挑んだのは、韓国代表チームがスライダーを狙いに来ていることを悟ったこともあるだろうが、内角の速球には対応できない、とバッテリーが見抜いていたこともあるだろう。内角球に当たりに行ったことで「韓国野球は内角球が苦手です」とわざわざ国際戦の舞台で宣伝したようなものだ。韓国戦では各国は内角中心の組み立てをするだろう。内角へのコントロールが出来る投手を当ててくるだろう。
日韓戦は一見善戦だった。韓国のレベルは確かに高かった。韓国代表の金卿文(キム・ギョンムン)監督は「負けて残念だが希望が見えた試合」と評価し、「朝鮮日報は「この言葉が示す通り、韓日戦のレベルの高まりを実感できる総力戦だった」(「http://www.chosunonline.com/article/20071203000056」)と総括した。しかし同時に技術面においてまだ当分超えられないことを露呈してしまった。そして韓国代表自身がそれを自覚し、それを克服する意思もないことをも露呈した。。韓国代表チーム、韓国マスコミ、さらには韓国世論に望むのは、日韓がアジアの野球を牽引しているという自覚である。今回の一連の韓国代表チームの戦い、そしてそれを擁護する韓国マスコミ(のあくまで一部であることを望みたい)にはそのような自覚が見えないことを憂える。台湾球界も力をつけている。一人の野球ファンとしてアジア野球のレベルアップを切に願う立場として、今回の韓国代表チームの所業はまことに残念である。