石破茂防衛大臣のUFO

石破茂防衛大臣もUFOの問題について論及した。結構面白い観点を含んでいるのでクリッピング(「http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071220-00000945-san-pol」)。

ゴジラの映画があるが、ゴジラでもモスラでも何でもいいのだが、あのときに自衛隊が出ますよね。一体、何なんだこの法的根拠はという議論があまりされない。映画でも防衛相が何かを決定するとか、首相が何かを決定するとかのシーンはないわけだ。ただ、ゴジラがやってきたということになればこれは普通は災害派遣なのでしょうね。
 命令による災害派遣か要請による災害派遣かは別にしてですよ、これは災害派遣でしょう。これは天変地異の類ですから。モスラでもだいたい同様であろうかなと思いますが、UFO襲来という話になるとこれは災害派遣なのかねということになるのだろう。領空侵犯なのかというと、あれが外国の航空機かということになる。外国というカテゴリーにはまず入らないでしょうね。
 航空機というからには翼があって揚力によって飛ぶのが航空機ですから、UFOが何によって飛んでいるのか、色んな議論があるのでしょうけど、それをそのまま領空侵犯で読めるかというとなかなか厳しいかもしれない。そうなってくると、これは飛翔体なのかねということになるとするとどうなのか。例えば隕石(いんせき)が降ってきたことと同じに考えられるか。隕石は自然現象だから何の意思もなく降ってくるわけですが、UFOの場合は意思なく降ってくるわけではない。これをどのように法的に評価するのかということもある。そうすると災害派遣が使えるのか、領空侵犯でもなさそうだ。そうすると防衛出動かねということになるが、それをわが国に対する急迫不正な武力攻撃と考えるかというとそうはならないだろう。
 UFOが襲来して、色々な攻撃を仕掛けるということになれば、そういう評価も成り立つのだと思うが、『地球の皆さん、仲良くしよう』と言って降ってきたときに、それはわが国に対する急迫不正な武力攻撃でも何でもない。また、何らかの意思が伝達されたときに何を言っているかよく分からないという場合に一体、どのようにわが方の意思を伝達するのだということもある。当省として、こういう場合にどうするかという方針を固めたわけでも何でもない。これは私個人の話であって、私は頭の体操という言葉はあまり好きではないが、色んな可能性は考えておくべきものだ。
 ある日突然にそういうことが起こって、どうするのかというのもあまり望ましいことではない。省として取り組むことは全然ないが、私自身として、一体どうなるのかということは考えてみたいと思っている。そのときに日本だけ襲来するかというと、世界あちこちに襲来するでしょうな。そのときに国連でそういう議論が行われたかというとあまり承知していない。まだ、存在しないと断定し得うる根拠がない以上は、やはり頭のどこかに置いておくべきなのではないのかなと。当省としてそういう方針を決定したということでは全くありません。

確かにゴジラなどの映画で自衛隊が出てくるシーンで「法的根拠」を言い出すと、これはこれで面白い論点になる。怪獣は天変地異なのか、というのはそれはそうで、言われれば石破大臣のいう通りなのだが、わかったようなわからんような。命令による災害派遣か要請による災害派遣か、とか煮詰めねばならないところは多そうだ。
しかし石破大臣の指摘するように「UFO」が襲来した時にどうするか、とということは難しい。あれは災害派遣なのか領空侵犯なのか、とか。ガミラス冥王星に基地を造り、そこから空爆を敢行した場合、日本としてはどうするのか、とか、意外と法学の講義のネタとして使えそうだ。
追記
二階俊博総務会長は「いいかげんにしろ」(「http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071220i214.htm」)。

「『私は(UFOは)あると思う』と言うのは、いい加減にした方がいい。政治には(ほかに)対応しなければいけないことがたくさんある」(自民党の二階総務会長)

確かにそうかもしれん。