「反体制運動」は甘くない

カマヤン氏(「2008-04-30 - カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの燻る日記/はてダ版」)経由。メモ。

■「反体制運動」は甘くない■
2008年04月27日09:28
長野4月26日。
日本の警察が、中国人応援団を優遇し、チベット支援者を露骨に差別したらしい。沿道で、会場で、五星紅旗は許されるのに、雪山獅子旗は許されなかったらしい。中国人の暴力は見て見ぬ振り。日本人の暴力は逮捕拘束だったらしい。
で(笑)?何かご不満ですか?
まさか、とは思うが、日本の国家権力が、両者を平等に扱うとでも思っていたんですか?そのサッカリンのように甘い考え方は、どこをどう押したら沸いて来るんでしょうか?
聖火ソウルへ出発、妨害などの逮捕者6人に
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=472770&media_id=20
貴方達チベット支援者の皆さんは「反体制運動」をやっているのです。貴方達は、日本の国家権力の意志に対して、物理的に抵抗しているのです。そりゃ、警察に弾圧されて当たり前ではないか。
貴方達は、いったい、チベットに何を見たのか?貴方達は、チベットを支援している。なぜ、チベットを支援するのか?
チベット人が、中国の国家権力からの不当な弾圧を受けて殺されているからだ。チベット人が、中国の国家権力からの露骨な差別を受けて泣いているからだ。
事の本質は「中国」ではない。「国家権力」なのだ。
中国人の民族的資質を云々してる人もいるが、それよりもはるかに大きな要素は、【国家権力とは暴力装置である】という、政治学のイロハのイである。中国の国家権力が反体制運動に差別的な暴力を行使するのならば、日本の国家権力だって反体制運動に差別的な暴力を行使するに決まっているではないか。
新左翼新右翼の活動家が、道を歩いている。向こうからやってきた男が、すれ違う瞬間、目の前で転ぶ。活動家は逮捕される。罪状は公務執行妨害。男は公安警察であり、活動家は彼に暴力を振るって転倒させたというわけだ。俗に言う「転び公妨」である。
貴方達チベット支援者の内、保守派や右派の人たちは、左翼を嫌ってる。左翼を馬鹿にしてる。左翼なんて逮捕されて当然だと思ってる。左翼が逮捕されるのは左翼が悪い事をしているからだと思ってる。何の事はない。活動左翼は、昨日の貴方達と同じ目にあっていただけの事だ。
貴方達チベット支援者は、日本の国家権力に露骨な差別を受けた。悔しかったと思う。それは、程度は違えど、チベット人が中国で受けた屈辱とも同じだし、戦後昭和の活動左翼や活動右翼が受けてきた屈辱とも同じ味なのである。
今の今まで、左翼活動家が散々叫んできたではないか。「警察権力は横暴だ!」と。貴方達の耳にも聞こえていたはずだ。しかし貴方達は、左翼活動家を「狼少年」だと思ってきた。確かに左翼活動家は平気で政治的なウソを付くので(笑)、そう思われても無理はないけど、でも「狼」は本当にいるのだ。
今回、その「狼」のホンの一部、尻尾の先くらいが見えただけである。「狼」がその気になったら、貴方達なんか一瞬で食い殺す。中国の「狼」がチベット人を食い殺しているように。
五星紅旗を優遇し、雪山獅子旗を差別した日本は最低の国だ!」とおっしゃる人もいるようだが、最低でもなんでもない。日本がどうこう、ではない。国家として当たり前なのだ。
貴方達チベット支援者の皆さんは「反体制運動」をやっているのです。貴方達チベット支援者の皆さんは、例えば、日の丸・君が代強制反対運動をやってる人々と同じなのです。
国家権力に広範囲な取り締まり権限を与えることが、本当にわれわれを幸せにすることなのか?をもう一度考えてみてもらいたい。

なるほど。一つの視点ではある。