「関東新制条々」17−追加法355

「関東新制条々」の中の訴訟関係の最終の条文。佐々木文昭氏の分類によると、この訴訟関係の条文群であるところの349条〜355条は349条が主規定で、訴訟担当者対象の禁止規定が350〜355である、という。
本文。

一 御家人見参并庭中訴訟聴断事
以評定之隙、常可有其沙汰。

読み下し。

一 御家人見参ならびに庭中訴訟聴断の事
評定の隙を以て、常にその沙汰あるべし。

御家人見参」という主従制の問題が「庭中訴訟」に引っ張られて訴訟関係の条文のところに入れられている、という佐々木氏の指摘がある。
庭中訴訟とは「裁判の手続の不備を理由とする過誤救済制度をいう」(Yahoo!百科事典、羽下徳彦氏執筆)。過誤救済制度にも職務精励を求めたものか。