警察国家に関する一考察

草なぎ剛メンバー事件。お酒をごっくんして、泥酔して深夜に全裸で騒いで逮捕。
この件で警察が逮捕拘留、さらに家宅捜索にまで至ったことについて、いろいろ警察国家との関わりを憶測する見解が散見される。左翼である私はもちろん諸手を上げて賛同し、警察国家への動きに警鐘を鳴らしたい、という下心は一杯あるものの、Xデーの時に「戒厳令」とか「一気に全体主義国家へ」とか、あのころに左翼による狼少年を見すぎたトラウマで、とりあえず念頭には置くものの、実際にはそこまで警察も考えてはいないだろうな、と。
今回草なぎメンバーの身柄を拘束して家宅捜索まで至ったのは、おそらく警察は大麻の疑いをさしはさんだ、という気がしている。結局何も出ずに、薮蛇だったわけだが。
警察国家に関する懸念としては白川勝彦氏のサイトに、非常に面白い考察があった(「白川勝彦Web 政治理念 忍び寄る警察国家の影」)のだが、どういうわけだか、4月24日16時27分現在接続できない状態になっている。何があったのだろうか。(追記、17時15分に閲覧可能であることを確認)。
白川氏のサイトでは職務質問の話が載せられていた。警察は職務質問を乱発しすぎである、という趣旨で、警察の方で職務質問をノルマ化している、ということと関連して警察国家化を懸念する内容であったように思う。白川氏は職務質問をしてきた警察官に反発してこじれさせ、最後には警察署まで乗り込む。
私はあまり職務質問されることはないが、たまにされることはある。私の場合は左翼だが、同時にヘタレなので警察には反発しない。むしろ下らないノルマを課せられている警察官に同情すらしているので、彼らが気持ちよく職務を遂行できるように愛想よく応じる。いや、まったく左翼の風上にも置けないヘタレ野郎だ。
私がかつてバイトしていた塾では保護者連携TELという愚にも付かないものがあって、ノルマがあった。マメに塾から電話がかかってくるのが面倒見のよい塾ということなのか、ノルマではなく、こちらが自主的に電話をしているおせっかい野郎、という形で電話をする必要があった。向こうは「夜遅くに」とか「忙しい時に」とか思っていたのかもしれないが、こちらもノルマがあったのだ。ヨメはコンビニでバイトをしていたが、「サバ寿司いかがですか」と声を必ずかけるのがノルマだった。「サバ寿司いかがですか」「そんな缶コーヒーにサバ寿司なんかいらんわ」と突っ込まれていたらしい。声をかける方もかけたくてかけているわけではない。
警察の職務質問も同じようなものではないかな、と思う。個人の警察官の中にも温度差があって、「よし、がんばるぞ」と思っている人もいれば、「え〜やるのかよ、逆ギレされたりするんだよな」と思っている人もいるだろう。彼ら、特に後者を厳しく糾弾するのは気の毒だ。かと言って、現場の警察官はがんばっているんだ、という理屈で職務質問を初めとした「警察国家」化も「しょうがない」と言い得るものではない(ちなみに警察国家化は治安のために積極的に必要だ、という意見は、私は同意はしないが、有り得べき意見である)。個人の警察官の問題と、組織としての「警察国家」の問題は分けて考えなければならない。