重松清氏の『青い鳥』から

中学入試ご用達の重松清氏の『青い鳥』の中から印象に残った言葉。
「ぼく」たちの学校でいじめが起こり、いじめられていた生徒は他校に転校、担任は非常勤の村内先生に代わる。村内先生は吃音の先生。学校にはいじめ相談の「青い鳥BOX」が設置される。そこに「誰かを嫌うのもいじめになるんですか?」という投書があった。石野先生は「みんなで一人の子を嫌って、無視したり意地悪なことをしたらいじめになるだろう」と答える。「ぼく」は「一人で、心の中で嫌っているだけなら、いじめにならないんじゃないんですか?」と聞き返す。「ぼく」は「みんな仲良く、ケンカ禁止。ひとを嫌いになるのも禁止。本当にそうなのだろうか?」という疑問を抱く。それに対する村内先生の言葉。

「いじめは……ひとを、きっ、嫌うから、いじめになるんじゃない。人数がたっ、たっ、たくさんいるから、いじめになるんじゃない。ひとを、踏みにじって、くくっ、くっ、苦しめようと思ったり、くくっ、くっ、くく苦しめてることにきっ、気づかずに……くくっ、くっ、苦しくて叫んでいる声を、ききっ、ききっ聞こうとしないのが、いじめなんだ……」