いわゆる「京都らしさ」

「昭和の鉄道模型をつくる」を叡山電鉄風、もしくは京福電鉄風にする、というときにポイントになるのが「京都らしさ」であろう。「京都らしい」レイアウトを作る、というときに一番よく使われるのが「町屋」。しかし悲しいかな、Nゲージメーカーはほとんど東京にある。ストラクチャーでは一番頼りになるトミーテック然り、近年力を入れているKATO然り、ストラクチャーのキットで伝統を誇るグリーンマックス然り。東京のメーカーであるから、やはり町屋が関東風になる。その町屋を並べても、関西の人間がみたら違和感たっぷりの「京都」ができ上がってしまうのである。具体的に一番違和感があるのが下見板張りの町屋。関西は土壁か羽目板が中心で、下見板張り、それも押縁付きに至ってはほとんどみられない。しかし「京都風」を謳うレイアウトには関東風の町屋を並べて「京都の町屋」と言っている。かなり違和感が残る。しかし実際トミーテックのジオコレは貴重なので私のレイアウトでも押縁付き下見板張りの建物が幅を利かせている。さんけいの「みにちゅあーと」には関西風のレイアウトにも使えるものがある。しかしペーパーキットなので手先の不器用な私には厳しい。
さらに言えば嵐電叡電沿線には町屋は少ない。というよりも町屋と鉄道が並ぶところはない。町屋が立て込んでいるところを走る鉄道は地下を走るし、地上を走る鉄道は町屋の立ち並ぶ場所からは外れた京都市西部や東北部を走る。嵐電京都市の西の外れを走り、叡電京都市東北部を走る。従って町屋を立てても必ずしもそれが嵐電叡電の雰囲気を表している、とは言いきれないのである。
とすれば他の所で「嵐電らしさ」や「叡電らしさ」を出す必要が出てくる。もう一つの「京都らしさ」。それは社寺であろう。しかし今は時間がない。いずれ論じたいと思う。
それでは、また。(←白川勝彦氏のパクリ)